初恋で恋愛なアニメ映画ランキング 10

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の初恋で恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月26日の時点で一番の初恋で恋愛なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.0 1 初恋で恋愛なアニメランキング1位
秒速5センチメートル(アニメ映画)

2007年3月3日
★★★★☆ 3.9 (3994)
18474人が棚に入れました
東京の小学生・遠野貴樹と篠原明里はお互いに対する「他人には分らない特別な想い」を抱えていた。しかし小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校してしまい、それきり会うことが無くなってしまう。貴樹が中学に入学して半年が経過した夏のある日、栃木の明里から手紙が届く。それをきっかけに、文通を重ねるようになる2人。しかしその年の冬に、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まった。鹿児島と栃木では絶望的に遠い。「もう二度と会えなくなるかもしれない…」そう思った貴樹は、明里に会いに行く決意をする。

声優・キャラクター
水橋研二、近藤好美、尾上綾華、花村怜美

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

綺麗です!芸術作品ですけど!?

私この作品勘違いしてました…短編三部作をショートストーリー3本と…q(T▽Tq)
それに途中気付いて、最初から見直しました(/ω\) ハジカシー
こんな間違えする人はいないと思いますが、主人公の少年・青年・社会人の頃の儚く切ない恋物語です♪
 
正直な感想ですが、あまりにも人に薦め辛い作品だなぁと思っちゃいました(A゚∇゚)ハテッ?
カテゴリー的にはアニメと言うよりも、芸術品っていう『作品』なのです。
観る人の聴覚・視覚を巧みな手法や演出や音響技術で、なんだか懐かしいような、身近でリアルな感覚にさせてくれましたのです♪
演出に所々サブリミナル効果が隠されているのです。鈍感な私には、一箇所しか見つけられませんでした♪
2度目の視聴の時にでも探してみてもらうと良いかも知れませんよ♪
もう一度いいますw芸術作品ですw耳を澄まして、音を感じ、リアルな映像でリアルと錯覚して、山崎まさよしの挿入歌で泣く!?ここが一番の泣き所かなぁw
 
ここまで色々書いてきたのですが…(*_ _)人ゴメンナサイ…物語が肌に合わず好きになれませんでした♪
一番盛り上がったのが青年時代で、その後は誰にも何も残らずに終わった感じです。
切ない系が好きな人には良いかもですね♪
 
ということなので♪何を期待するかで、評価が分かれる作品だと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 62
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なぜこんな終わり方をする・・・

この映画は三話構成の映画です。

貴方がまだこの映画を見ておられないのであれば、
そしてあなたが、映画で感動や愛情や喜びを得ることを期待されているのであれば、
三話目は見ないことを強くお勧めします。
そうすれば、見終わった後、夢を膨らませ、幸せな気分に浸ることができます。

絵はこの上なく美しく、音楽も大変すばらしい。
第二話までであれば、自信をもって多くの人に推薦できます。

第一話では、主人公の男の子や相手役の女の子の心に大いに共感しました。
二人とも純粋で、一生懸命で、相手のことを思いやっており、
とてもすがすがしく感じました。

第二話は、男の子に片思いをしている女の子の話です。
男の子は第一話に出てきた子です。
片思いの女の子がとてもけなげで、ちょっぴり切ないです。
男の子には好きな人がいるので、決して振り向いてはくれません。
男の子は、第一話に出てきた女の子のことをすごく大切にしています。
第二話を見終わった後、これから先の展開が楽しみになってきました。


映画とは、観客に感動や喜び、楽しさ、夢を与えてくれるものだと私は思っています。
疲れたときや落ち込んだ時には、映画から元気を与えてもらえます。
(他の理由で映画を見られる方、ごめんなさい)

自分勝手な主張で申し訳ありませんが、
監督さんには、元気を失くしたり生きる気力を失くすような映画を創っていただかないよう、お願いします。
{netabare}
2019/2/24追記
実は、第三話は、私自身も思い当たることがあるのでつらいです。

都会でコンピューター関係の仕事をするということは(他の仕事も大差ないと思いますが…)
自由な時間があまりなく、仕事以外は寝ているか食べているかが殆どです。
寝ているときも、夢の中でプログラム解析をついついしてしまいます。
そして障害の箇所に気づくと、汗びっしょりで急に目覚めます。

だから私的なことを考える余裕があまりありません。
ついつい身内に冷たくなります。
そして、少しずつ疎遠になる。

そんな現実があるにせよ、
私は空元気でも見せかけでもいいので、笑っていたい。
そうすることで相手の人が安心してくれるのなら、それが良いと思っています。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 90

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

貴樹様。女の手は一度握ったら、決して離してはダメなのでございます。

桜の花びらの落ちる速度は秒速5センチメートルだそうでございます。桜の花びらがヒラヒラと落ちるがごとく、この作品はワタクシの胸の中をヒラヒラと舞って掻き乱し、そして深い余韻と共に胸の奥底に積もっていきました。とても印象に残る、素敵な作品でございました。

お話は桜花抄(おうかしょう)、コスモナウト、秒速5センチメートルの3話構成となっております。それぞれが小学生時代~中学生時代、高校時代、そして社会人と3つの時代のエピソードを書いたものでございます。各話20~30分程度と短いお話となっておりますが、可能な限り続けて鑑賞されることをお勧めいたします。そうする事で、主人公の遠野貴樹様の胸中をより深く伺い知ることが出来るかと存じます。

ご覧になった皆様が口を揃えておっしゃいますが、ともかく作画が綺麗でございます。綺麗・・・いいえ。そんな一言で表現出来ない、別次元の感覚でございます。作画だけで物語を語ることが出来る。それ程までに素晴らしい出来であるとワタクシは感じました。必見でございます。

小学生時代~中学生時代のエピソードで有る桜花抄。こちらで篠原 明里様役を担当されている近藤 好美様の演技がともかく素晴らしかった。余り有名な方では無い様でございますが、切ない女心をせつせつと語るその口調。言葉に込められた思い・感情。一言一言が胸に刺さる様でございました。

本作は台詞の無い”間”の使い方が絶妙でございました。降りしきる雪の中で見つめ合う2人、夕暮れの道を並んで歩く2人、草原の中で佇む主人公etc・・・。台詞はなく、ただ風の音、虫の声だけが流れる・・・。
ナレーション等はございませんが、作品に感情移入すればする程、その”間”は自然と言葉を発して参ります。”声”では無いけれど、心に直接語りかけて来るかの様でございます。そして受け取る方によって、その言葉の内容は異なる物になるのでございましょう。

最終話の終わり方が説明不足と言う意見も耳にいたします。しかしでございます。ワタクシは言葉の無い、この”間”が全てを語ってくれていると思うのでございます。そしてその事が、あえて観る側で独自の物語を作ることを許してくれていると思うのでございます。それは中学生時代の初恋に重ねるのかも知れません。高校時代の片思い? それとも今愛しているあの人の事でございましょうか?
貴方にとって、この”間”はどんな言葉を語りかけてくれるのでしょうか? どんな物語を紡いでくれるのでしょうか?
本作では手紙、メールと言った手段がとても上手く使われており、印象的でございました。
最後に作中で登場いたします遠野貴樹様、澄田 花苗様のお二人にお手紙を書いてみたいと存じます。


前略 澄田 花苗様
結果的に貴方様の恋は叶いませんでしたが、その恋はとても美しい思い出を残してくれましたね。とても純粋で一途な恋。かけがえのない思い出。羨ましいぐらいに素敵な財産です。貴方様のその魅力に、いつか惹かれる男性が現れます。美しい思い出を持つ貴方は美しい。どうかご自分に自信を持って、明日を前向きに進んで下さい。心より応援いたします。
草々


拝啓 遠野 貴樹様
貴方様のその一途な思い、深く深くワタクシの胸に突き刺さりました。でもね、貴樹様。貴方様がそこまで愛した女性・・・。どんな事が有っても、その手を離すべきでは無かったとワタクシは思うのですよ。距離が何ですか?時間が何ですか?そんな物は本当に障壁ですか? 貴方の愛が本物ならば、どんな障壁であっても乗り越えて欲しかった。
貴樹様。女の手は一度握ったら、決して離してはダメなのでございますヨ。ワタクシからのささやかなアドバイスでございます。
敬具

投稿 : 2024/12/21
♥ : 53

80.7 2 初恋で恋愛なアニメランキング2位
蛍火の杜へ(アニメ映画)

2011年9月17日
★★★★☆ 4.0 (1077)
5224人が棚に入れました
祖父の家へ遊びに来ていた6歳の少女・竹川蛍は、妖怪が住むという山神の森に迷い込み、人の姿をしたこの森に住む者・ギンと出会う。人に触れられると消えてしまうというギンに助けられ、森を出ることができた蛍は、それから毎年夏ごとにギンの元を訪れるようになる。

声優・キャラクター
内山昂輝、佐倉綾音
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

恋は儚い人の夢

「夏目友人帳」の緑川ゆきが原作で、同作品のアニメスタッフによって作成された短編映画です。


恋は儚い人の夢。
蛍の様に光り、白銀の雪のように輝き、やがて……。


誰もが開始3分で「あっ……これは」と思うはず。
分かってるんですよ、分かってるのに30分後には泣いている私がいる。


蛍は裏表のない、明るくも利発な女の子。

ギンは雰囲気こそ神秘的なものがあります。
しかし、その行動は迷い、恋し、決断する、真っ直ぐな男。

ピュアなキャラによるピュアなラブストーリーです。


{netabare}気軽に触れられる{/netabare}男子生徒。
蛍から{netabare}のプレゼントのマフラーを身につける{/netabare}ギン。
二人が{netabare}会えない季節も{/netabare}どんどん距離が縮まっていく。
ちょっとしたシーンにも説得力がありますね。

夏のイメージが強い本作ですが、冬があるからこその夏。
それが夏の風物詩である「蛍」と冬のイメージがある「ギン」という名前に込められた意味なのかもしれません。


そしてラスト。
涙が止まらない。

{netabare}
お面越しのとてもとても美しいキス。
その後ギンは転びそうになった人間の男の子に触れてしまいます。

「来い、蛍。やっとお前に触れられる」

お面の向こうの蛍の顔はそれまでにないほどの笑顔でした。


……でもね、これは事故ではないんです。
何年も何十年もお祭りに参加しているギンが、うっかりミスをするとは思えない。

「何があっても、私に触らないでね」

この約束がある限り、ギンも蛍も直接お互いに触れることはできません。

そして、後の妖怪の言葉。

「ギンはやっと人に、触れたいと思ったんだね」

つまり、これはギンの意志だったわけです。

確固たる意志を持っていたわけではないのかもしれません。
しかし、ギンは、蛍との約束を破ることなく、罪悪感を残すこともせず願いを叶えたかった。

そのためにギンは事故を装い、{netabare}「人の手というチャンス」{/netabare}を掴んだのでしょう。
{/netabare}


わずか45分という短くシンプルなストーリー。
それでいながら洗練されていて、温かさ、切なさ、色んな感情が溢れてきます。

美しいお話で完成度が高く、今まで見たアニメ映画の中では一番。
本当に大好きな作品です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 140
ネタバレ

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

10年分の想いを、今ここに・・(ギン視点で観てみました)

ねえ、蛍。
俺はずっとここに居るよ?
何年、何十年たとうとも。
たとえ、君の瞳に写らない
そんな存在だとしても。

俺が過ごした、途方もない時間。
そんな中で、蛍と過ごした時間は ほんの一瞬だった。
でもね、俺にとってはその一瞬が大切で愛おしくて、仕方がなかった。

蛍は俺に、優しくて、温かい感情をたくさんくれたね。
でも、それは、切なくて、苦しくもあったんだよ?
蛍は気付いてないかもしれないけれど・・
まるで夏の夜に光る、ホタルのヒカリのような、
そんな儚くて脆い、だけど、強くて、美しい。
そんな日々だったね。

蛍は俺に「忘れないで」と言ったよね?
忘れる訳がない。忘れたくない。
でもね、蛍は忘れてしまってもいいんだよ?・・


蛍に出会ったのは、蛍がまだ小さい時だった。

{netabare}

~蝉の詩、笑い声・・~
鳥達の囀り、木々の揺れる音・・
そんな森達の雑談と共に聞こえた、泣き声。
それが蛍だった。
蛍は、俺を見ても少しもこわがらなかったよね。
むしろ、楽しそうに俺に触れようとして来た。
まだ小さい蛍には「消える」という意味さえ理解出来なかったんだろう。
でも、俺には それが素直に嬉しかったよ。
1人の存在として認められているようで。

~夕やけの茜色、帰り道、遠回り~
「何かデートみたいデスネー」「色気のないデートデスネー」
そんな他愛ない会話を繰り返したね。
手をひいてあげる事は出来なかったけれど、
その先から伝わるこの想いは、一体何なんだろう?
何だか、胸の奥が温かくなるような・・

別れる時、蛍は俺の名前を聞いた。
俺の名前は・・無言・・疑問と不安。
そんな時、風が俺の背中を押した気がした。

~約束は「また明日」~
明日も来ると走って行った、蛍。

「ギンだ」

翌日 本当に蛍はやって来た。
そして、約束の場所で、待っていた俺が居た。

~夏はただ、咲き誇り~
冷たい小川に、暑い夏の日差しが差し、キラキラしてる。
全てが美しく、夏が輝いていた。
それは、蛍が側に居るからなんだよ?
蛍と見る全てが、今までとはまるで、違って見えた。

~その命輝かせ~
俺はただ、生かされて、ただそこに存在しているだけだった。
何も意味をもたない、あやふやなモノ。
だけどね、今まで感じた事のない、自分の存在。
俺は自分というものをこんなにも感じる事が出来るんだ。
夏が待ち遠しい、蛍に会える事が、素直に嬉しい。
そう思えた。
そんな夏が何度も何度も訪れた。

ある夏の事だった。
蛍は俺を驚かせようとして、見事に木から落ちて来た。
俺は、そんな蛍を受け止める事が出来なかった。
自分の存在が無くなってしまう事を恐れたのか・・?
そんな気持ちとは裏腹に、蛍は安堵の顔を見せた・・
そして、大粒の涙を流した。
何故泣いてるのかは、分かってた。
涙は止め処なく流れ続ける。
でも、俺は その涙を拭ってあげる事も出来ず、ただ、その泣き顔を見続けた。

出会わなければ、こんな想いをさせなかった?・・
出会わなければ、こんな想いはしなかった?・・

~終わらない、お話のその先に気付いて~
蛍は毎年、会う度に、成長していく。
それは、普通の人間の子なら当たり前の事なのは分かっていた、、つもりだった。
少しづつ、目線が近くなって来る。
それを複雑に感じつつ、俺の感情に違う何かが芽生えはじめた。
いつか感じた想いとは、全く別物。

蛍に・・会いたい。
蛍に・・触れたい。

この胸を締め付ける感覚は・・

~カラス達遠ざかり、どこかへと飛んでゆく~
離れてる時間がこんなにも長く、辛く感じるなんて・・
今まで考えた事も無かったよ。
蛍は今何をして、何を見て、何を考えてる?
いつからか、俺の中は蛍でいっぱになっていた。
いつか、こんな気持ちが届く日が来るのだろうか?

真っ白な雪の上に散る椿が一際紅く見えた。
俺の心の中のように。
真っ白な心の中に、真っ赤に燃える感情が一つ・・
蛍がくれた温もりで、いつもの冬より、身体も心も温かかった。

~夏はただ駆け抜ける、宝物、しまうように~
ある夏、蛍は言った。
春も、秋も、冬も、俺の事を考えていた、
そして、もっと一緒に居たいと。
俺は、自分という存在の全てを打ち明けた。
打ち明けなければならないと思った。
俺は、蛍を幸せにはしてあげられないから、永久に・・
こんな俺の為に犠牲になる事なんてない、もうここには来なくていいよ?
俺はずっとこうして、だだ存在しているだけで、何も変わらない。
“決して忘れられない、かけがえのないモノが一つ増えた事以外は”
だけど、蛍から返って来た言葉は優しく、心が苦しくなった。
そして思った。もう、こんな夏を続けていてはいけないと・・

~いつまでもなつかしい、あの頃は黄金色~
いつか蛍と行きたいと思った、 「妖怪達の夏祭り」。
誘うのは、ちょっと照れ臭かったけど
蛍は喜んで、行きたい!っと言ってくれた。
そして、少し不安な言葉を口にする。
不安な事はないよ、だって蛍は、俺が守るよ?
そう言うと蛍は、少し頬を紅くして
「そういう事を言われると、飛びつきたくなってしまう」と言った。
・・「飛びつけばいい、本望だ」
もし、それで俺が消えても何の後悔もない、今なら全て受け止める事が出来る。

~何気ない毎日の片隅を照らしてる~
手を伸ばせば、届く距離。
一番近くに居るのに、一番遠い存在。
俺は、蛍を抱きしめたかった。
そして、その手に、その髪に、頬に、
一瞬でいい・・その温もりに触れたい。
もう、気持ちが抑えきれなくなっていた。

~夏はまた、やってくる約束を守るように~
祭はいつもの夏と同じようにやって来た。
でも、今年は隣に蛍が居る。
毎年思い描いていた光景。
「デートみたいデスネー」「デートなんデスネー」
10年前、初めて会った日に交わした会話。
10年越しの、始めてのデート。
やはり、あの日のように手はひいてあげられない。
でも、振りなら許されるよね?

息を吹きかけると回る風車。
金魚すくいをする子供は、尻尾を隠しきれてなくて。
偽物の綿あめが空に浮かび上がり、その空に花火が咲き誇る。
蛍はそんな光景に、ずっと笑顔だったね。
その笑顔を見て俺も笑った。

このまま時間が止まってしまえばいい・・。
そんな、叶わぬ願いをそっと胸にしまい込んだ。

楽しい時間は一瞬だった。
蛍と過ごした10年分の夏がそうだったように。
そして、俺は帰り道に全ての想いを蛍に伝えた。
こんな事を言っても困らせてしまう事は分かっていた。
だって2人は決して交わる事はないのだから。
そして、お面越しにくちづけをした。
これが蛍に触れられる精一杯。
蛍に捧げる、精一杯の気持ち。

蛍は今どんな顔をしてる・・?

そんな時、小さな子供が飛び出して転びそうになった。
俺は咄嗟にその腕をつかんだ。

・・刹那、指先から光を放つように消え始めた。
「あの子は、人の子だったのか・・」

もう、何もこわくはなかった。
ただ、願いは一つ。

「来い、蛍!やっとお前に触れられる」


ねぇ?蛍、覚えてる?
初めて会った日の事を。
笑いあった夏の日々を。
俺は忘れた事なんてなかったよ。
春も、秋も、冬も、会えない日々
ずっと蛍の事を考えていた。
蛍としたい事でいっぱいだった。
蛍とみたい物でいっぱいだった。
蛍と感じたい事でいっぱいだった。

でも、もうさよならなんだね。

蛍、こんな俺に気付いてくれてありがとう。
こんな俺を受け入れてくれてありがとう。

蛍の温もりを感じながら、最後に伝えたい事があった。




「好きだよ」



~夏はただ咲き誇り、その命輝かせ・・~






※~〇〇~
ED・おおたか静流『夏を見ていた』

{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 58
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

出逢ったのが彼女で良かった

『夏目友人帳』でおなじみのスタッフでおくる50分ほどのアニメ映画で、
なんともせつない、だけど心にやさしくしみるお話。

主な登場人物を公式サイトから抜粋すると


〔ギン〕
山神の森に住むキツネの面をかぶった少年。

〔竹川 蛍〕
6歳の時 森で迷子になったところをギンに助けられて以来、
彼に懐き、毎年の夏 彼のもとへ通うことになる少女。


ある夏、妖怪たちが住むと言われている山神の森で迷子になった蛍。
泣いているところを助けてもらったのが、ギンとの出会い。

それ以来の毎夏 森で逢うことを重ね、強く惹かれ合っていくのだが、
人でも妖怪でもないというギンには
「人に触れると消失してしまう」という掟のようなものがあり、
互いに触れ合えないまま蛍だけが高校生へと成長し、
やがてふたりは・・・というお話。

触れ合えないという大きな枷があるせいで、
手を繋ぐことも、抱きしめることもままならない関係。
蛍がまだ幼さの残る少女だった頃は面白おかしく描かれるのだけれど、
中学、高校へと成長していく彼女の、彼への想い方や、
お互いの向き合い方の変化、そしてなんとも初々しい二人の逢瀬など、
丁寧にきめ細やかに描かれていくので、
観ているこちらはもどかしくも切ない想いに駆られる。

このお話は詳しく書いたら野暮なのであまり書けないが、
{netabare}
ギンの正体の真相というか素性に加え、
胸が苦しくなるような出来事が起きた後の妖怪たちの言葉に、
{/netabare}
「あぁ・・・そういうことだったのか」と
山神様がかけた術の本当の意味がわかり、
こらえていた涙がどっとあふれてしまった。

雰囲気的には、『夏目友人帳』1期の8話「儚い光」や
3期の4話「幼き日々に」に近いテーマを感じた。

せつないけれど、悲しいのとは違う温かさ。
妖怪たちや山神の純粋でやさしい想いと、ギンへの愛情。
それらは、観る前に想像していた以上のもので。

また、これは2回以上観るとすぐに気づけるのだが、
蛍の選んだ道がわかる部分にも、ほっとできて。
とても良い後味と、しっとりした余韻に、
エンドロールがなくなってもなお、みつめ続けてしまうほどだった。

満天の星がきらめく夜空や、緑深い森に流れる木漏れ日のようなピアノ曲や
少しとぼけた感じのオルガンのメロディーも、
ふんわりとしたこの作品の空気感を盛り上げてくれる。

現実的に考えれば、少女がたった一人で森に行くというだけで
事件が起きそうな不安がよぎるし、ましてやギンなんて不審者扱いを受けそうな
今の世の中なのに、なんて平和なんだろう・・と。
観ていると・・・のどかでゆったりしていた時代が恋しくなる。

そして個人的に、ずっとずっと大切にしておきたい愛すべき作品の1つです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 81

88.1 3 初恋で恋愛なアニメランキング3位
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(アニメ映画)

2019年6月15日
★★★★★ 4.1 (569)
2973人が棚に入れました
空と海が輝く街“藤沢"に暮らす梓川咲太は高校二年生。先輩で恋人の桜島麻衣と過ごす心躍る日常は、初恋の相手、牧ノ原翔子の出現により一変する。何故か翔子は「中学生」と「大人」がふたり存在しているのだ。やむなく翔子と一緒に住むことになった咲太は「大人翔子」に翻弄され、麻衣との関係がぎくしゃくしてしまう。そんな中、「中学生翔子」が重い病気を患っていることが判明し、咲太の傷跡が疼き始める――。

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、水瀬いのり、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

この映画無くして『青ブタ』は語れない_眠れない_トロイメライ_今作に携わった全ての人達に「ありがとう」「がんばったね」「大好き」を伝えたくて(おまけ追記)

まだ記憶にも新しい2018年秋期に全13話のテレビシリーズが放送された『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』(以下、『青ブタ』)
テレビシリーズの中では紐解かれなかった主人公、梓川咲太の胸の傷の謎と咲太の初恋の相手、牧之原翔子の秘密を軸に描かれるシリーズの完結篇となる89分の劇場作品
「思春期症候群」と呼ばれる不可思議現象を発端に描かれるSF青春ドラマです
基本的にテレビシリーズ全話で張られていた全伏線の全回収でありつつ、尺の都合であらすじ等も全てカットした上で矢継ぎ早に展開が進んでいくのでテレビシリーズを最初から最後まで把握していないとさっぱり着いていけないと思います


3年前、小学4年生の牧之原翔子ちゃんは将来のスケジュールという学校の課題を書けずに思い悩んでいた…
実は翔子ちゃんは心臓移植を受けないと治らない病に侵されており、中学の卒業を待たずしてこの世を去る運命にあるのだという
3年後の12月8日、花楓の人格と記憶が元に戻る騒動が落ち着いた梓川家に来訪者が現れる
それは梓川咲太の初恋の人であり、咲太に心の支えが必要なここぞという時に現れる大人の姿をした牧之原翔子さんだった
無理矢理に梓川家に居候する翔子さんと、それを良しとしない現・彼女の桜島麻衣さんの間で火花が散る
そんな修羅場も落ち着かないまま、咲太は病院で中学生の姿の牧之原翔子ちゃんと出くわす
翔子ちゃんから幼い頃から入退院を繰り返している事や心臓移植に関する話を打ち明けてもらった咲太は、翔子ちゃんと翔子さんが同時に存在するのは翔子ちゃんの未来への不安が起こした「思春期症候群」の一種だとして解決策を模索する
やがて翔子さんは移植手術を成功させた未来からやってきた事、そしてその心臓は咲太の心臓である事が明かされていく
翔子ちゃんを救う為、咲太は自分の命を捧げるべきなのか困惑する…


テレビシリーズのレビュでも書きましたが、このシリーズは【ゼロ年代ヲタク文学の総決算】です
○○の“パクリ”と見下すことは簡単なのですが、その一言では片付けられない高尚な、ヲタク文学への愛とリスペクト、そしてSFへの昇華が込められてる作品だと思うのです
その上で今作では2010年前後に隆盛を極めた作品の要素も補完する方向にシフトしています
具体的にオイラが思い浮かべたのは『Angel Beats!』『CLANNAD』『STEINS;GATE』『アスラクライン』辺りです


また、主題に“生命の選択”や“人は何の為に生きていくのか”という普遍的な内容を孕んでいる為、今後新たに世に出てくるであろう無数の作品達と今作を比較してみるのも面白いと感じました
つい昨日も『響けユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』(「がんばったね」のくだりについて)や『ミュウツーの逆襲』や『トイストーリー4』や『ニノ国』(生命の選択や自己犠牲を美化するか否か)に絡めて『青ブタ』の方が上手く纏められてるのでは?とか、そんな話ばっかをぽ~か~さん達と話してましたw
アニメだと自己犠牲って美談として描かれがちですが、冷静に考えて17歳の少年が自分の命を捧げる、なんて事が良い話なわけがない
クライマックスまで観ていただければお解りの通り、今作は自己犠牲を否定する作品なんです


もちろん本編の全体の出来栄えがとにかく素晴らしい
ざっくり言って“お涙頂戴モノ”ですのでハッキリと苦手な人の方が多い内容だとは思います
でも面白くなかったらオイラだって計11回も劇場に足を運びませんからねw
人生で一番多くリピートした映画になりましたよ
テレビシリーズから順当に考えると今作は“翔子のお当番回”と考えたくなりますが、これまでもヒロイン達を救う為に必死になってきた咲太が、遂には翔子の為に自らの命を捧げなければいけない、とまでに追い詰められます
そしてこの絶体絶命の咲太の助けとなるのがテレビシリーズで咲太に助けられたヒロイン1人1人だというのがアツい
この辺のくだりは涙を誘う展開と熱量を感じる展開が交互に繰り返されて非常に滾るものがあります
そして広い意味で今作をもってしてシリーズ全体の“咲太の物語”に一区切りが着くことに気付くと思います
咲太を演じた石川界人さんは今作を持ってして完結とするのが一番幕引きに相応しいのでは?と、今後続篇があるとは思っていないようです


それにしてもこれほどの内容を89分に纏め上げた横谷さんの脚本力、それをテレビシリーズ終了から僅か5ヶ月弱で実現した増井監督率いるスタッフの手腕、そしてキャストによる渾身の演技、どれも大変素晴らしいです
先日、スタッフトークショーに参加してきましたが89分という尺は予算の都合上の絶対条件だったそうです、本当にお疲れ様でした
逆に濃密に内容が詰まったテンポ感こそ『青ブタ』だと思うのでこの選択は結果的に正解だと思いますb
最近、アニメ映画にタレントキャストは必要なのか?という話題を度々目にしますが、逆に考えればプロ声優の底力を感じる映画こそがこの『青ブタ』なんだとも思いますね
それにテレビシリーズからこんなにも早期に映画化の企画が為されたにも関わらず、キチンとした作品を完成させたことは本当に賞賛されるべきことだと感じます
完成が遅れて延期に次ぐ延期とか、そもそも企画された枠の中に納まらずお蔵入りとか、完成したものが極端に低クオリティ…とかいう作品も蔓延っているのが現代のアニメ業界の現実ですからね


唯一失敗と言える事を強いて挙げるのであれば、テレビシリーズ放送前から映画化が決まってたので作品人気の度合いが計り知れず、ファーストランの上映館が経ったの31館しか稼げなかった事でしょうか
おかげで連日満員、入場特典はおろかパンフすら瞬殺
あんなバズり方をするアニメ映画は至極久々です


ところで『青ブタ』の場合、テレビシリーズから一貫していた内容を短い尺に詰め込むことや、音を減らしてセリフを聴かせる、といった演出類が“映画だから”と奇をてらわずに実行されてるのが褒め称えたい
特にエンドロールでいつも通りのエンディングテーマ『不可思議のカルテ』で締め括るというのが感無量


オイラの一番お気に入りのシーケンスは12月31日の晩、ICUの前で寝てしまう咲太がこれまでの全ての出来事が走馬灯のように振り返えられていくフラッシュバックで時間が巻き戻る様を表現したカットですね
あの場面に合わせて作った、というfox capture planのBGMのピアノリバースがバッチリとハマっているのが気持ち良いです


正直いまは何の映画やアニメを観ても『青ブタ』との対比になってしまうwという我ながらメンドクサイ状態に陥っていますw
それほど今作を心の底から好きになれているのです
とにかくいま言いたいことを要約すると、今作に携わった全ての人達に
「ありがとう」
「がんばったね」
「大好き」
を伝えたい
これに尽きると思います


はなまる頂けましたかな?w


【おまけで追記】
双葉の髪型がポニーテールとナチュラルロングが日によって変わっていることに気付いた方もいると思います
何か法則があるのかと思い、テレビシリーズ含め"双葉の髪型のみ"を注視して鑑賞した結果を報告します
ずばり日付の末尾が奇数か偶数かで交代してることに気付きました!
…なんだそれだけかって?
基本的に日付の末尾が奇数だとナチュラルロング、偶数だとポニーテールになってました
これはテレビシリーズ8話で2人の双葉が融合した後の9月1日以降、両方の双葉がお互いを尊重し合っている、というメタファーなのでは?と受け取ってます
もちろん髪型以外の性格描写には変化は見受けられません
ちなみに映画劇中で咲太が「大人の梅ソーダ」を呑んだ際に一度リセットされ、奇数日がポニーテール、偶数日がナチュラルロングになってます
その後の大晦日から年明けに掛けて再リセットが起こり、ラストシークエンスの1月6日、つまり偶数日にはポニーテールに戻っています
何が言いたいのかって?
どっちも可愛いので両方交互に出て来てお得感凄い!制作スタッフGJ!って話がしたいだけですよw


【備忘録】
新宿バルト9で5回、川崎チネチッタLIVE ZOUNDで1回、川崎チネチッタ5番スクリーンで1回、ユナイテッドシネマアクアシティお台場で2回、EJアニメシアター新宿で2回、下北沢トリウッドで1回、立川シネマシティ シネマツーcスタ極上音響上映で1回
合計13回劇場で観て名実共に最も映画館でリピートしてる映画です
スタッフトークショーの増井監督、キャラデの田村さん、木田Pのサイン色紙持ってます

投稿 : 2024/12/21
♥ : 31

E=mc² さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

「ありがとう」 「頑張ったね」 「大好き」 を大切にして生きていく

期待しかない!!

めちゃくちゃ楽しみにしてた作品、やっと見ることができました。
真っ先に出てきた言葉は「原作読んでてよかった…」
尺とストーリー上仕方ないのかもしれないが、ざっと小説2巻分を1時間半に収めているので兎にも角にも時系列を追うのが大変すぎる。
その中でも上手くまとめられてはいたと思うが、鑑賞前でも後でも良いので原作を読むことを強くお勧めします。
後作画が放送時に比べてちょっとお粗末な感じで、若干声優さんが声を忘れてる?(今までとは空気が違うので仕方がない?)といった感じです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

初日舞台挨拶にも行ってきました

~・~・~・~・~公開記念舞台挨拶に行ってきました~・~・~・~・~

第一希望の上映後舞台挨拶は落ちて
上映前舞台挨拶に行ってきました

上映前ということはつまり
これから見る人に向けたメッセージですから
原則ネタバレ無しということです

本当はネタバレありで面白い裏話をたくさん聞ける
上映後舞台挨拶の方が好きなのですが
まだ観ていない大多数の方にも
ネタバレなしでトークの内容をお伝えできる点は
いいかもしれませんね

原作は現在読んでいる途中で
まだ劇場版相当部分に辿り着いていませんが
映画の内容は原作の6巻と7巻にあたるようです
TVシリーズは
1巻バニーガール先輩
2巻プチデビル後輩
3巻ロジカルウィッチ
4巻シスコンアイドル
5巻おるすばん妹
までを中心に
最終話で6のエピソードを少し添える形で
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
という題名で放送していましたが

今回の劇場版は
6巻ゆめみる少女
7巻ハツコイ少女
の二つを
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
というタイトルでアニメ化しています

1~5巻がそれぞれ
麻衣、朋絵、理央、のどか、かえでの話なので
舞台挨拶に行くまではゆめみる少女という題名から
翔子がメインの話だと思っていました
しかし舞台挨拶でこれから見る人たちに向けて監督から出た言葉は
「TVシリーズはそれぞれの女の子達の話でしたが
劇場版は咲太の話です」
というもの
そして実際翔子が重要な役割を担って入るものの
咲太が自身に起きている思春期症候群を解決するため奔走する話であり
TVシリーズで少しずつ蒔いてきた伏線を
がっつり回収する構成になっています

したがってTV版見てないよ!という方は
これを観る前にTV版を見てくるか
原作小説を5巻まで読む必要があります

逆にTV版を観たのであれば
ぜひ劇場版もセットで見るべきだと思います
TV版とは独立したエピソードというよりは
TV版の完結編とでも言うべき作品なので
(原作はそこで完結せずにそのまま続いていますが)
これを見ることでTV版の評価も変わるんじゃないかと思います

一般公開前ということもあり
内容に関してのより突っ込んだ話は控えることにして
一般公開後に原作読了状態で
再び劇場に足を運ぶ予定なので
そのあとでまたレビューしようと思います

おまけ:舞台挨拶雑感(ネタバレ無し)

{netabare}監督:増井壮一

4日前まで今日が何曜日かもわからないような
忙しい生活を続けていた
ふらふらと入ったコンビニで
ちょうど青ブタコラボをやっていて
コラボ商品をぼんやり眺めながら思ったのは
「へぇ・・・青ブタ映画やるんだなぁ」

あんたがボロボロ二なりながら作ってるやつだよ!

梓川咲太役:石川界人

作品の見どころを聞かれて

「人間の限界を越えようと頑張ったけど
実際には全然できてなかった
あれは山寺宏一さんにしかできないやつだと思う」

簡単に説明するとテンションの違う二人の掛け合いを
一人芝居でこなさなきゃいけないシーンがあるんですね
実際には無理だったということなので
おそらく2度に分けて録ったのだと思います

彼は山ちゃんにしか無理と言っていましたが
君嘘フィナーレにおける朗読劇では花江夏樹が
公生と黒猫の一人芝居を見事に生で演じきっていましたよ?(・x・;

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

水瀬「アフレコがだいたい・・・2月くらいだったと思うんですけど」
瀬戸「あれ?3月じゃなかった」
石川「いや4月だったような気も・・・」
瀬戸「それはないよ!4月じゃ昨日じゃん!」

いや・・・昨日ではないと思うよ?
というかそこはそんなに掘り下げ必要かなw?

牧之原翔子役:水瀬いのり

事前情報の無いサプライズ登壇でした
水瀬「この後でみんながツィッターとかにあげて
私のファンが悔しがるやつですよ(にやにや)」
石川「でも、絶対欠かせない役だし、水瀬さんのイベントスケジュール確認して、サプライズ目当てでここにきてるファンもいるかもしれませんよ?」
水瀬「・・・」
司会「今日水瀬さんが来るのを予想してここに来た人っていますか?」
ぱらぱらと手が上がったのを見て、心の底から嫌そうに
水瀬「怖っ!!」

ファンにそういう態度とってるとまた換金所のババァって言われちゃうよw

思春期症候群の話になって
それぞれどんな思春期を送っていたかという質問になりました

監督:増井壮一

「高校の時は勉強とか全然してなかった
数学の二階建ての公式が覚えられなくて
こんなもの覚えて俺の将来に何の役に立つのか?
と先生に訊いたけど
『とにかく覚えろ!』しか言わないから
それ以来勉強するのをやめた」

まぁ勉強なんかしなくてもほかの手段で食べていけるなら
それはそれでいいと思いますねw

梓川咲太役:石川界人

石川「高校生くらいの頃は・・・周りに誰もいませんでしたね」
司会「それはぼっちというやつでは?」
石川「人の傷をえぐらないでください(悲)」
石川「まぁ・・・人間が嫌いでしたからね・・・」

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

瀬戸「高校に入って知り合いが全然いない環境になったのをきっかけに
いわゆる高校デビューってやつで
クールな一匹狼キャラになろうと思った
そういうのがカッコいいと思ってた
でも入ってすぐにクラスの子に話しかけられて
すぐ仲良くなって部活とかにも入って
全然そういう感じにならなかったw」
石川「( ゚д゚)<・・・」

一匹狼がカッコいいとか言い出した時は
石川君のフォローしてあげるのかな?
とか思ったんですが最終的には
石川君のぼっちぶりが際立つ方向にw

牧之原翔子役:水瀬いのり

水瀬「高校生くらいの頃は
大人のどこがえらいのか?
ちょっと30㎝くらい大きいだけで
なんでそんなに偉そうなのか?
オーデションに行っても
お前ら私を評価するとか何様のつもりだよ!?
って思ってました」
瀬戸「評価してもらうために自分からオーディションにきて
評価されたくないって矛盾してますねw」
水瀬「ほんとその通りですよね
まぁそれでたくさん炎上したりもしました・・・」
瀬戸「自分からほじくり返さないでいいからw」

どうやら炎上の件を多少は気にしている模様w
{/netabare}

~・~・~・~・~公開記念舞台挨拶にも行ってきました~・~・~・~・~

原作をしっかり読んだうえで初日舞台挨拶に行き
その翌日に3回目をあにこれメンバーといってきました

これでもかというくらいぎゅうぎゅうに詰め込んだ作品なので
原作からはいろいろ削られてる部分があったり
地の分の説明が無くなってわかりにくくなっているところがあったり
原作で補完してから見た方がより引き込まれる作品でした

実際初見のときより原作読んでから見た2回目の方が
一人一人の細かい心情まではっきりとわかって倍くらい泣けた
というか上映時間の半分くらい泣いてた気がします(つдT)

おまけ:舞台挨拶雑感(ネタバレ込み)

{netabare}司会(天津向)

どうも!司会のムカイオサムでーす

へー・・・天津の向って下の名前おさむだったんだね
とか思ってたら

梓川咲太役:石川界人

石川「どうも梓川咲太役の向井理です」
向「それさっきダダ滑りだったから!
  傷口に塩塗り込まないで!
  大体やったらバカウケだよって煽ったの君らでしょ!」
石川「いやー・・・面白かったですよね?」

観客に同意を求めるもまばらな拍手

向「義理の拍手すら最低限じゃん!」
瀬戸「そろそろ挨拶してもいいかしら?」
向・石川「…」

初日の映画のヒットの話になって

石川「僕いつもエゴサしてるんですけど・・・」
周りがみんなかわいそうな目で見るのを受けて
石川「エゴサ位したっていいだろぉぉぉ」
周り「・・・」
石川「エゴサして全部のツイート読むようにしてるんですけど
  #青ブタがトレンド入りして
  読んでも読んでも読み切れなくなってる
  嬉しい悲鳴」
水瀬「皆さんこれ終わった後タグ付けてつぶやけば
  もれなく石川さんに読んでもらえますよ!」

たぶん客層的にいのすけに読んでほしいオタクの方が多いと思うんだw

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

「初日舞台挨拶ももう4回目
朝から初日舞台挨拶してきましたが
ようやく初日なんだなぁって実感がわいてきました!」

いやもう夕方だよ!
これ最後の舞台挨拶だよ!
初日の上映終わっちゃうよ!

牧之原翔子役:水瀬いのり

「最初にタイトルを聞いたときに受けたイメージとは全然違ってすごく素敵な話だった
みんなが自分を犠牲にしてでも誰かを救いたいっていう
すごく優しい世界だった」

青ブタは本当にタイトルで損してる作品だと思う・・・

古賀 朋絵役:東山奈央

「キグルミの咲太はどういうつもりで飛び込んだのかすごく気になってます
結果的にはとってもいい結末を迎えたわけだけど
ああいう風になるって事前にはわからなかったわけじゃないですか
私の考えでは咲太はあの時代の咲太を助けて死んで
自分の心臓を翔子ちゃんにあげて
麻衣さん含めた全員を助けるつもりだったんじゃないか?
って思ってます」

なるほど・・・確かにあの結末は結果論で
最悪はねられた方の咲太に収束して
何一つ解決しない可能性もあったわけだなぁ

さすがインテリ声優目の付け所が違う!

双葉理央役:種﨑敦美

(見どころを聞かれて)
「全部が見どころ
見どころが思いつかないんじゃなくて
見どころしかないんです
私もう3回見てるんですけど
見るたびにどんどん序盤の何でもないようなシーンが好きになっていって
後半のいろんなシーンも含めて
全部が見どころだと思ってます」
・・・というようなことを
たどたどしく断片的に
あの独特の話し方でしゃべっていました
しかしそれだけ引っ張っても最後には
「踏切で最後に理央が小声で感情を吐き出すところ」
と無理やり見どころを吐かされていましたw{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 30

66.2 4 初恋で恋愛なアニメランキング4位
ずっと前から好きでした。 ~告白実行委員会~(アニメ映画)

2016年4月23日
★★★★☆ 3.7 (159)
970人が棚に入れました
これが最後の練習だから――。桜丘高校3年の榎本夏樹は、幼なじみの瀬戸口優に片思い中。けれど、素直になれず、優を告白の"練習"相手だと言ってしまう。ホントの気持ちをごまかし続ける中、夏樹はクラスメイトの綾瀬恋雪にデートに誘われるけど…?夏樹の"練習"は"本番"をむかえることができるの!?

声優・キャラクター
神谷浩史、戸松遥、梶裕貴、阿澄佳奈、鈴村健一、豊崎愛生、代永翼、麻倉もも、花江夏樹、緑川光、雨宮天

Marsa さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

中高生女子に人気だったアニメ映画。おっさん目線でも気楽に観れて楽しめた。

2016年上映のアニメ映画。70分弱の作品。

何組かのカップルの高校生の恋愛、告白のお話で、
女子中高生にとって告白する勇気をもらえる作品といった
ところですかね。

「若者は時間が沢山あると思ってる」
自分を振り返ると確かにその通りだった。
今を素直に一生懸命生きるって難しいことですよね。

告白、恋愛に限らず、世の中一筋縄ではいかないことだらけ、
一方、歳を重ねると制約が多くなり、身動きが取りにくくなる
若さは最大の武器とも思う。

若者には今できることをどんどんチャレンジしてほしい。
それが、この作品を観て思ったおじさん目線ってやつでしょうかw

投稿 : 2024/12/21
♥ : 14

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

王道少女マンガらしさをそのままアニメ映画にするというアリそうでなかった一作

ニコニコ動画を中心にボーカロイド楽曲を手掛けたことが発端の制作集団「HoneyWorks(以下、ハニワ)」
彼らが得意とする初恋、告白、青春恋愛といったテーマの楽曲をモチーフに、それら楽曲と関連付けたキャラクターを主役とした漫画、小説などを展開するメディアミックスシリーズ『告白実行委員会』
その1stアルバムでもある『ずっと前から好きでした。』をタイトルに64分のアニメ映画としたシリーズ第1作
一応、続編として3rdアルバムのタイトルを用いた『好きになるその瞬間を。』の公開も予定されてます


あらすじ・・・書いてもネタバレになりそうなので予告動画とか観てください(爆
幼馴染を異性として意識しつつも素直になれない少女の前にイメチェンした男友達が急接近してきたことで少しよじれていく関係を描いた甘酸っぱい青春恋愛群像劇
根本的に恋愛群像劇なので、登場人物が尺の割に多い(こーゆーの大好きです)
友達以上恋人未満から三角関係に、三角関係から四角関係に、さらに倦怠期へ
複数の恋愛模様が目まぐるしく描かれていてとても忙しい(ホントこーゆーの大好き)
でも舞台が高校三年の秋ってホントは進路とかでめっちゃ焦ってる時期だよね・・・何やってんのおめぇらw


キャラの設定、担当する声優、大筋のお話などはこれまでに公開されているハニワの楽曲動画に沿っています
なので原作動画を観てもらうのが手っ取り早いんだけど逆に言うとネタバレになっちゃうので注意も必要です


スタッフは『蒼い世界の中心で』や『精霊使いの剣舞』の柳沢テツヤ監督と藤井まきのキャラデザ
これに成田良美が脚本で加わり、良い意味で90年代~ゼロ年代に朝からやってた集英社「りぼん」誌連載の少女マンガ原作アニメの少し懐かしいテイストの作品に仕上がってます


昨今、少女マンガの映像化は実写映画orテレビアニメという二極化をしていたので、【アニメ映画】という第三の選択肢を選んだ今作の挑戦は高く買いたいです


個人的に胸アツだったのは春輝が美桜と下校するシークエンスと恋雪が夏樹を送り届けるシークエンスがさらっと対比になっているところですね
(美桜は車に轢かれそうになってるのに対して恋雪はちゃんど車道側を歩いて夏樹を守ってる)
本編中でなんも触れられてないんだけどさらっとこーゆーのやるのカッコ良すぎ惚れるw


で、主題歌や挿入歌も当たり前のようにハニワが流れてくる(ボーカルはCHiCO、sana、YURiCa/花たん、そしてボーカロイド)
エンドロールにはスフィアとのコラボ楽曲
これらはさすが楽曲のテーマをそのままアニメ化してるだけあってとても親和性が高い


で、ちょっとオイラが疑問視したいのは劇伴
これもハニワが手掛けているのですがあまりにもエピック過ぎてぶっちゃけ煩いw
オイラは人間ドラマにエピック過ぎるBGMを持ってくるのは陳腐な実写映画みたいで大っ嫌いなんですが(爆)そこは流石の柳沢テツヤ監督(というか20世紀の演出家の癖みたいなもんでしょう)
キャラが大事なこと言ってるシークエンスでは基本的に何も音楽は掛けない、無音なのです
ネ申か、柳沢監督ネ申なのか
もう一生着いていきますわぁ


夏樹と優のエピソードにこそ一段落着いた終わり方だったものの、恋愛群像劇としてはまだまだ未完
伏線も多数あり、「俺達の恋愛はこれからだっ!」的な幕切れでしたので続編を素直に楽しみにしてます
ハニワがどーのというよりか、王道少女マンガ好きには是非チェックしてもらいたい一作です


あー、あとひとり恋っぱぐれた恋雪くんはオイラが貰っていきますんで安心して下さい(^q^)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

空知 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ハニワ恐るべし。深夜層には知らないセカイがあった

告白実行委員会の第一弾。

2016年4月に公開。
動員数25万人、興行収入3億を突破。

契約しているAT-Xで2017.10.15に放送されたので、観てみました。
本来ならレビューするほどのことのない作品なのですが、
下記に書いてあるように、アニメビジネスとして興味を持ったので、
ちょっと書いてみました。


良質の劇場版を観ていれば、作画は深夜アニメの並の中くらいです。
特に、背景は手抜きを感じます。
(ただ、AT-Xは画質が悪く、ディテールが失われるので、あくまでもAT-X上での感想ですが。)

肝心の作品内容ですが、まあ少しだけキュンとします。
ただ、60分で、これだけ??

ネタバレは避けます。
簡単に言うと、1組の男女が中心に話しが進みますが、その他3組の男女も同時進行します。

見終った後の僕の感想は、

「え?それだけ?これで終わっちゃう?」

深夜番組なら、24分×12回=2時間50分ほどをかけて、少しずつ男女の気持ちを変化していく様子を描いていきます。

焦らしがない!
全くジラられない!

どうしてこれほど人気があったのかをちょっと調べてみました。


な~るほど。


興味ある方のみ↓どうぞ(笑)。








劇場版アニメが20億に届くことも最近は多く、3億ちょっとというのは少ないと感じるかもしれませんが、いろいろ調べてみると、

劇場に足を運んだのは、95%が女子中高生のみ。
料金は、中高生のお財布の中身を考えて、1100円に設定。

それでも、多くの女子中高生が足を運んだ。
どうしてこんなにヒットしたのかをとあるメディアの女性記者(25)が劇場に足を運んで記事にしています。

この記者の記事によると、

「四方八方を中高生に囲まれ、約60分の上映時間中ずっと中高生のすすり泣きや感嘆の息に包まれる……といった状態だった。」


そしてこの記事を読み進めると、深夜帯の傑作ラブコメを好きな層に対するのとは違う戦略を制作委員会が持っていることを知りました。

音楽は、HoneyWorks、通称「ハニワ」。

このハニワはYouTubeで活動しており、女子中高生はYouTubeでハニワの音楽のファン。
映画を観る前から、ハニワの音楽から告白実行委員会の世界は頭の中にできてるんです。

彼女たちには、音楽で前置きができているから、もう十分なんです。
あれこれ細かいやりとりはいらない。

すごい作戦だなぁと驚きました。

女子中高生のみをターゲットとし、広告費の95%をスマホに特化。
そしてお小遣いの少ない女子中高生のために、特典を付けて1100円という低料金。

宣伝プロデューサーはアニプレックスの相川和也氏。
(『心が叫びたがってるんだ。』『四月は君の嘘』も担当されたとのこと)


相川氏曰く、

「女子中高生にとっては、アニメというよりは、西野カナと同じ枠組みに近いと思った」と分析する相川さんにとっても、彼女たちに向けた展開は初チャレンジだった。

「でも、映画の制作発表をしたところ、女子中高生の反響が思っている以上に大きかった。自分が思ったよりも多くの人にリーチするのかもしれない、普段ターゲットとしている深夜アニメファンと規模は同じくらい……むしろより多くの人に届くのかもしれないと感じた」。


アニメ作品の感想を書こうと思ったのですが、この内容でここまで限られた層をターゲットにしてヒットさせたビジネス戦略に驚くとともに、深夜層以外にも裾野が広いアニメもあるんだなと思いました。

恋愛モノ大好きな私でも絶対に足を運ぶことのできない禁断(?)の空間の雰囲気を少し理解できました。

2017.10.22、第2弾の「好きになるその瞬間を。~告白実行委員会~」がAT-Xで放送されます。
第1弾で引きつけられた女子中高生は、どうしても第2弾を観たくなる。

多分、第2弾のほうが中身の濃い作品なんじゃないかと僕は想像しています。

薄利多売だけれど、未来への投資ということですね。

*僕も、ハニワの音楽を十分聴いていれば、評価は4.4くらいだったろうなあと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

75.3 5 初恋で恋愛なアニメランキング5位
空の青さを知る人よ(アニメ映画)

2019年10月11日
★★★★☆ 3.8 (239)
1099人が棚に入れました
山に囲まれた町に住む、17歳の高校二年生・相生あおい。将来の進路を決める大事な時期なのに、受験勉強もせず、暇さえあれば大好きなベースを弾いて音楽漬けの毎日。そんなあおいが心配でしょうがない姉・あかね。2人は、13年前に事故で両親を失った。当時高校三年生だったあかねは恋人との上京を断念して、地元で就職。それ以来、あおいの親代わりになり、2人きりで暮らしてきたのだ。あおいは自分を育てるために、恋愛もせず色んなことをあきらめて生きてきた姉に、負い目を感じていた。姉の人生から自由を奪ってしまったと…。そんなある日。町で開催される音楽祭のゲストに、大物歌手・新渡戸団吉が決定。そのバックミュージシャンとして金室慎之介の名があがる。あかねのかつての恋人であり、高校卒業後、東京に出て行ったきり音信不通になっていた慎之介が町に帰ってくる…。時を同じくして、あおいの前に、突然“彼"が現れた。“彼"は、しんの。まだあかねと別れる前の、高校時代の姿のままで、13年前の過去から時間を超えてやって来た18歳の金室慎之介。思わぬ再会をきっかけに、次第に、しんのに恋心を抱いていくあおい。一方、13年ぶりに再会を果たすあかねと慎之介。せつなくてふしぎな四角関係…過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。

声優・キャラクター
吉沢亮、吉岡里帆、若山詩音、松平健、落合福嗣、大地葉、種﨑敦美
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

魂と時間

秩父三部作と通称される長編アニメシリーズの完結編。
先行する「あの花」「ここさけ」で描かれた鮮烈な青春群像劇を受けて、
青春の「その先」にあるもの、選択と迷い、行き詰まりや停滞など、
より広汎な人生の諸相を包括した物語となっている。

東京での成功を夢見る高校生のあおい。かつての輝きを失って帰郷した慎之介。
二人が歌うそれぞれの「ガンダーラ」に込められた、対照的な「夢」の姿。
自分の可能性を信じるあおいのアグレッシブな歌いっぷりと、
ギターを爪弾きながら慎之介が絞り出す、うらぶれたひとり歌。
青春ドラマに人生の苦みを足し加えた、独特の渋さが本作の個性である。

少し前に投稿したレビューを今回、ほぼ全面的に書き直した。
自分の関心は相変わらず、しんのというキャラクターの本質、そして、
三部作を一貫する主題の探求にあるのだが、前二作との比較をより鮮明にしつつ、
主題の一貫性を内在的な発展過程として捉える、思い切った試みをした。
それによって、出発点の素朴な疑問、しんのとは本当は何者なのか?
という問いをめぐる解釈に、多少の説得力が加わったか、どうか…。

(プロローグ)
{netabare}
物語の出発点を要約する導入部は、
短いカットやシーンをモンタージュ風につなげた凝った趣向で、
まずは主要なキャラクターを登場させ、さらにはその前史をも先取りする。

その中に断片的に挿入される、薄暗い、不明瞭なカット。
押し入れから何かを取り出しているらしい、無精髭を生やした男。
取り出されたものは、ガムテープで封印されたギターケース。

この部屋とは別にもう一つ、納戸のような場所も映し出される。
これらの場所が意味するものは物語の進行とともに徐々に明らかになる。
一方は、慎之介が現在暮らしている都会の一室。
もう一つは彼の故郷の、お堂と呼ばれている神社の拝殿の中。
そこには今も一本のギターが残されたままになっている。

暗示めいたこの冒頭の一連のカットには、わざと目立たないように
最も重要なメタファーが潜められている、というのが自分の推測である。
つまり、観ている者が後から気づくことになる決定的な事態とは、
これこそが「しんの」がお堂の中で目覚めた瞬間だったこと、
さらに、その目覚めとギターケースの封印が解かれるのが同時であったこと。

このメタファーの意味は踏み込んで考えるまでもなく、至って明解なものだ。
一方には空っぽのケース。そして、遠くに残されてきた本体のギター。
この両者が、しんのと慎之介との関係、即ちしんのの正体を説明している。
空虚な抜け殻になってしまっている現在の慎之介。
それはまさしく、中身の入っていない空っぽのギターケースだ。
だとすれば、周囲からは生霊とか地縛霊とか言われ、
慎之介の方が「本体」扱いされているのとは逆に、実はお堂にいるしんのの方が
置き去りにされた中身であり本体、いわば慎之介の「魂」と呼べるものなのだ。

ギターケースの中には、当時の記念の品々と、一枚の写真がしまわれている。
空っぽの心の中に過去の思い出だけを抱える現在の慎之介を象徴するようだ。
だから、これから始まろうとするものは、過去に残してきた自らの本体、
真実の自分、すなわちおのれの「魂」と再会するための旅であり、これは
しんの=魂という視点によって、物語の全体を読み解いてゆく試みである。
{/netabare}

Ⅰ 魂の顕現
{netabare}
「封印された過去」。これがしんのの一応の設定である。
岡田作品通有のモチーフであり、とりわけ「あの花」との関連は明らかだろう。
トラウマとして封印された過去の記憶の中から突如、実体となって現れる懐かしい異人。
めんまはそんな存在であり、しんのもまたその分身のように見える。
つまり本作の基本設定は「あの花」の延長線上にあると言ってよいだろう。

目覚めたしんのは、お堂に閉じ込められたまま一歩も外に出ることができない。
一切の活動を奪われた彼の状態は、文字通りの「封印」である。
その結果、外界から隔絶された閉鎖空間の中で
自分の存在をずっと自問自答する苦行を課せられることになる。

 なあ、俺どうしてここにいるんかな?・・・どうして、か・・・

封印された過去が自意識を所有して、自らの存在理由を問い続けている。
例えばめんまも自分の正体がわからず、その追求のプロセスが周囲を巻き込み、
やがて一人一人を自分の内面と向かい合わせる契機となった。
それが結果的に周囲の人々を苦悩から解放し、自らの救済にまでつながった。

しんのの場合も同じように、彼と関わる人々の心に徐々に変化をもたらしてゆく。
その変化のメカニズムを、物語の水面下で持続しているはずの彼の自省と関連させてみたい。
すなわち、あおいやツグに向けられる彼の率直な、全面的な肯定は
自身が完全に無力であるという苦い認識の裏返しなのではないか。
自らへのネガティブな反省が、他者へのポジティブな肯定に反転する。
ネガティブなものがポジティブな作用を及ぼすことは常識的には逆説に見える。
だが、魂の背理な力は常識の眼には、一個の逆説と映るものなのである。
自分はこれを魂の作用、働きかけと捉えたい。

ストーリーの軸となる、しんのとあおいとの関係をこの視点から見た時、
本当の力点は恋愛とは別のところにあるように思われる。
しんのへの想いを本物の恋愛と呼ぶには、あおいの心はあまりにも未熟に感じられる。
例えば、やさぐれた慎之介に失望し、さらに周囲の大人への反発が重なって
衝動的にあかねの生き方を全否定してしまうような幼さ。
しんのは、そんな突っ張ったり背伸びしたりする部分も含めて
等身大の、ありのままの自分を受け容れてくれる、心の支えのような存在である。

しんのへの淡い恋心は、あおいの内部に葛藤を生じさせる。
あかねの幸せを願う気持ちと、しんのが消えてしまうことを恐れる気持ち。
あかねへの愛情ゆえに揺れ動く、そのアンビバレントな感情の縺れは
心の奥底にある、最も素直な感情に立ち還ることによって解きほぐされる。
その役割を担ったのがしんのの存在であったように思われる。

ヒロインのあおいと主人公の慎之介は共に、心に抱えた屈折を
しんのの働きかけによって解消される。そこには本来の純粋な自分への復帰、
いわば「魂への回帰」が生じている。これが本作の固有のテーマではないだろうか。
本作が危機からの救済をめぐる「魂の劇」であるという事実を
「魂」そのものの顕示によって明らかにするものではないだろうか。
{/netabare}

Ⅱ 時間の肯定
{netabare}
秩父三部作を巨視的に通観する時、全作品に共通する
危機の救済のプロセスが、純化されていく方向性が認められるように思う。
つまり、前二作に潜在していた本質的なものが明確に顕現した結果、
「あの花」の心理ドラマが本作において「魂の劇」に昇華したと自分は捉える。
その過程で転回点になったのが、中間に位置する「ここさけ」の
あの極度に張り詰めた対話劇だったのではないか。そんな仮説が思い浮かぶ。

以前書いたレビューの中で指摘したことだが、「ここさけ」の終盤、
順と拓実が「本当の言葉」をぶつけ合う対話の場面には
相互の働きかけによる同時的な救済が実現している。
ここにおそらく、岡田作品に特有の救済の位相が認められると思われ、
漠然とだが、そこには魂への省察が予感されていたような気がするのだ。

本作にも山場となる二つの対話がある。
まずはしんのと慎之介。自分と自分、過去と現在とのドラマチックな対決。
もう一つはラストの、しんのとあかねとの再会の場面である。

しんのと慎之介の間では、否定と肯定が弁証法のように交錯する。
しんのは当然、現在の慎之介を非難するが、それが否定ではないことに注意したい。
しんのの否定は自らに向かっている。その否定の中に実は、
慎之介を肯定する契機が内在しているのだ。それはおそらく「時間」である。
具体的には、慎之介が耐えてきた13年という重たい歳月。
停まったままの自分には持ちえなかった時間。
それが、今も所在なく無為に存在している自分の現実と鋭く対比される。

この場所に留まってしまったしんのと、歯を食いしばって踏み出した慎之介。
尖鋭に向かい合う二人の姿に「いま」が顕現し、「時間」が可視化される。
そして今、過去を回収し、決着をつけてふたたび前に進むためにこの場所に来た
慎之介の覚悟は、しんのによって自分が存在した理由として理解された。

 俺さ、あの写真見ていろいろわかっちまった。
 あいつはさ、あん時、閉じ込めることでしか前に進めなかったもんに
 もっかい向き合おうとしたんだ、って。
 俺の中にもあるこの想いを、後悔になんてしないように、
 だから俺はあそこにいたんだ、って・・・

しんのとは、慎之介が向き合うべき「過去」の具現化だった。
そのような自分と向き合うために来た13年後の自分。その決意が彼に救いをもたらす。
しんのの方からの肯定によって、慎之介もまた過去の呪縛から解放される。
救済は一方通行ではなく、双方向的・相互的に成就する。
これが、三部作を通じて深められてきたテーマの真髄ではないだろうか。

そして、完結編となる本作ではさらに多方向的な展開を見せる。
クライマックスとなる、しんのとあかねが再会して交わす対話の中では
あおいを中心として、次々に肯定の連鎖が生じていく。

真っ直ぐに成長したあおい。その彼女のために地元に残ったあかね。
あかねの選択をしんのは今、心から肯定することができた。
そしてその肯定は、あかねを愛した彼自身にも及んでいく。
13年前のあかねの選択をしんのが肯定し、それによって自らを肯定する。
あかねへの断ち切れない想いが実体化した、凝固してしまった時間の象徴である
ネガティブな存在が肯定され、彼は安らかに消えていく。

そしてここでも、肯定されるものは「時間」である。
それはあおいと共に生きることを選んだあかねにとっての時間であり、
物理的な時間とは異なる、一人一人によって「生きられた時間」である。
成長した今のあおいはその結晶、具現化だと言ってよい。
ここに込められた本作のメッセージを自分は以下のように読み取った。

時間とは残酷なものだが、それが救いをもたらす場合もある。
本作はその両面を描きつつ、後の一面を支持していることは言うまでもない。
過去の意味は一概に判断できるものでなく、時間をかけて明らかになる真実もある。
「生きられた時間」を持てなかったしんのが結果的には
周囲の人々が新たな一歩を踏み出すための契機となったように
人生に無意味な時間というものは実は存在しないのではないだろうか。
「無用の用」という奥深い逆説的真理を体現したしんのの存在の奥に、
魂というものの本質が潜んでいるように感じられるのは自分だけだろうか…。
{/netabare}

Ⅲ 魂への回帰
{netabare}
過去の自分、現在の自分、未来の自分。
それらを貫いているものとは一体何だろうか―?

私たちはそれぞれに自前の判断基準=「ものさし」を持っている。
いつかは消え去る多くの夢、偶然の事柄に左右される日々の生活。
それら曖昧で不確かなものに基づいて私たちは往々、自らの現実を評価していないだろうか。
だが、もっと確かな、定点となるべき固有の実体が存在するはずだ。
それがその人の「魂」と呼ばれるものなのではないか。
過酷な現実の中で魂と折り合いをつけながら進むこと。魂を保って生きること。
そのような魂の所在こそが人生の本質的な課題となるのではないか。

その尺度に照らした時、夢とか現実とかいう区分は解消されるだろう。
魂にとってはただ為すべきことだけがあり、その進行の経過が現実というものだからだ。
だから当然、挫折などというものもない。
慎之介があかねに語ったように、すべてはまだ実現の途上でしかない。

 俺さあ、俺、ちゃんと前に進んでんだと。
 けど、まだ全部途中なんだ。途中だったって思い出した。
 だから、あきらめたくねえんだ、俺も・・・。

「思い出した」という表現が特に意味深く感じられる。
それは単に、忘れていた初心に帰るといったこととは違うだろう。
停滞とは多分、虚像にとらわれて本当の現実を見失ってしまうことだ。だからこれは
見失われていた自分の魂との再会による、本当の自分の回復を言い表すものであって、
魂を尺度として生きる人生への転換を意味する言葉なのだ。

——そして、慎之介の時間が再び流れはじめる。傍らのあかねと共に。


魂への回帰——。

それは個々人の人生の転換点において生じる事態である一方で、
人間の生存の条件をめぐる根本問題としての広大な射程をも有している。
本作の主題も実は、その地平にまで及んでいるのではないだろうか。

封印からついに解き放たれたしんのがあおいを連れて、広大な空を駆け回る、
全編のクライマックスとなる「魂の解放」を描いた場面。
魂の自由な躍動をヴィジュアルに描き切ったこのシーンは決して
単なる派手な映像的見せ場などではなく、ここまでの省察を踏まえれば
その内包するメッセージ性に気づかされるのである。

しんの=魂に導かれて、初めてあおいは、この空の本当の青さを発見する。

 空、青いね。・・・
 出たい出たいって思ってたけど、こんなにきれいだったんだね。

自分が今生きている「場所」の再発見、そしてその肯定を表明する言葉である。
「魂への回帰」とは、人が真に根差すべき場所をあらためて確認することなのだ。
しんのに抱かれたあおいがまるで、あやされる赤ん坊のように描かれるシーンがあるが、
ここにもおそらく、それぞれの固有の風土に抱かれて育まれる
人間存在の本来の在り方への暗示が含まれていると自分は解釈する。

この空の青さが魂の宿りだからこそ、どこまでも高く高く、跳ぼうとする。
この場所が魂の故郷だからこそ、どこまでも遠く遠く、駆け巡ろうとする。
このシーンは秩父への、そしてすべての「魂の故郷」に捧げられたオマージュである、
そのように捉えていいのではないだろうか。

デラシネ=故郷喪失。かつてアクチュアルな思想課題として熱く論じられた
あのテーマが、今再びここに喚び起こされているのだろうか——。
アニメ史に残るであろう記念碑的な連作・秩父三部作を締めくくるものは、
魂の「根差し(enracinement)」をめぐる新たな思索の可能性への
いまだかすかな予感なのかも知れない。
{/netabare}

(エピローグ)
{netabare}
エンディングに織り込まれた趣向は、エピローグと呼ぶのが相応しいものだ。
あおいたちのその後の歩みが、何枚かの写真によって伝えられる。その中の、
華やいだ記念写真に混じって、部屋の中だけを写した異質な一枚が注意を引く。

おそらく、ひとり暮らしを始めたあおいの部屋の中なのだろう。
愛用のベースの隣にはあの「あかねスペシャル」が仲良く並べられている。
慎之介とあかねが結ばれた後も、魂のしんのはずっとあおいと共にいる・・・
あおいのエア彼氏として(笑)。どうやらそんな感じの結末のようだ。
{/netabare}

総評:(主に前二作との比較を、旧レビューから再掲。)
{netabare}
「あの花」「ここさけ」に見られた求心性と緊迫感は
物語の固有の磁場を形成する、オリジナルな原初の「事件」に由来する。
原罪とも呼び得るトラウマからの解放に向け、極限的な感情と言葉とがぶつかり合い、
それらが思春期の心の揺らぎと共振し、作品は独特の屈折と陰翳を帯びる。
そうした内発的な展開の契機が、今作ではいわば外部化されている。
両親の死亡によるあかねの東京行の断念は、一般的な人生の有為転変に属しており、
そこにはあの私小説風の、特異で尖鋭な端緒が見られなくなっている。

また、説明的な描写、外的要因に頼る展開などに、一種の省エネ志向が認められる。
例えば、慎之介とあかねが会場の裏手で偶然出会う重要なシーン。
ここは再会した二人の心の揺らぎをもっとじっくり描くべき所ではないか?
目撃したあおいが姉の知らない一面を再認識し、一方でしんのの消滅を恐れて
板挟みの苦悩を深めるという方向につなげるのは、確かに無駄がなく効率的だが、
その分、キャラクターの心情への共感的な没入が妨げられる。
予期せぬ偶発事の発生で急転直下、物語に決着がつく終盤も展開本位だ。
視聴者は作品の中に入り込むよりも、外から筋の流れを追っていく感じになり、
映画的な感興がそがれ、テレビドラマ風な平板な印象が残ってしまう結果になった。

発展と見なせるのは、過去に関わる葛藤の乗り越えを描くのに際して、
思春期の心の「成長」から、人生の「成熟」へと視野が拡大し、さらに
それを促す要件としての「魂」の存在が、暗示的に主題化された点だろうか。

視点を多重化した本作の試みは功罪両面で評価できそうだ。
複層化に対応した構成は、前二作よりも明らかに緊密になっているが、
それにもかかわらず、逆に弛緩したような印象を受けることは上記の通りであり、
作品としての感銘度では、前二作には及ばないというのが自分の結論である。

蛇足になるが「井の中の蛙~空の青さを知る」というこの格言を
「魂」の方向に徹底させた言葉があるので、引用しておきたい。
沖縄学の父と呼ばれる伊波普猷が座右の銘とした、ニーチェの言だそうである。
曰く、
   ― 汝の足元を掘れ。そこに泉はある。 {/netabare}


(初投稿 : 2021/06/01)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 22
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

井の中の蛙大海を知らず。されど空の青さを知る

世の中は思ったようにならないことのほうが多く、そんなときの悔しさや自分への腹立たしさが身に染みて伝わってくる物語です。

おそらく、順風満帆の人生を送られている方は、この映画の良さが理解しずらいと思います。
でも、失敗や挫折を経験したことのある方が見ると、直ぐにこの映画の登場人物に感情移入でき、感動するでしょう。
最後はハッピーエンドとなる素晴らしい映画でした。

特に若い人たちは、以下のまえおきを読んでいただいたうえで映画を見ると、より一層感動できると思います。

<まえおき>
ガンダーラとはパキスタン北西部にかつてあった古代都市です。
孫悟空で有名な唐の時代に実在した三蔵法師も、ガンダーラに行ったことがあるそうです。
そこに行けばどんな夢もかなう。そんな噂があったかどうかわかりませんが、
約40年前にゴダイゴが歌った『ガンダーラ』は、まさに理想郷でした。

この映画は、まさに理想郷ガンダーラを東京に置き換えて夢を見た若者たちの物語です。


<映画の序章のあらすじ>
※私の思いが含まれています

事故で両親を亡くした二人の姉妹がいた。
姉のあかねは、妹を誰よりも愛していた。
妹のあおいも、姉を誰よりも慕っていた。

だがある日、あおいは、自分のせいで姉が結婚を諦めたことに気づく。
それからは自己嫌悪の日々。
自分さえいなければ姉は幸せになれる…。そんなねじれた考えが日増しに大きくなってゆく。
そしてあおいは、姉を愛するがゆえに{netabare}家を出ることを決意する。{/netabare}

あおいの第一印象は、影と棘とを持ち合わせた少女として映ります。
もし自分が同じ立場だったら、やはりあおいと同じように考え、行動すると思う。
この悔しさを誰にぶつければいいのかと悩むだろう。


姉の元恋人である慎之介は、東京で一旗揚げようと夢を見ていた。
一旗揚げれば、姉妹そろって呼ぶことができる。
そうすればみんなが幸せになれる。彼はそう信じていた。
だが、東京は、そんな夢を見る人がたくさん集う場所。
夢を掴むのは、ほんの一握りの人だった。
さらに、都会で生きていくためには厳しい現実があった。

私も東京に住んでいるので、慎之介の気持ちが良くわかります。
都会で生きていくのは、本当に大変なことです。


そして、ここからこの映画の本編が始まるのです。
ぜひ見てください。


井の中の蛙は大海を知りません。
でも、大海を知らないからこそ、できることもあります。
大海を知ったたがために尻込みして、挑戦せずに諦めるよりも、
大海を知らずに挑戦するほうが断然良い。

たとえ挑戦してその夢がかなわなかったとしても、後悔することはないはず。
挑戦せずに諦めると、一生後悔します。

一度っきりの人生です。
空の青さは誰にでも見ることができ、そして太陽は、誰にでも平等に光を降り注ぐ。
井の中の蛙は、誰にはばかることなく挑戦して良いのです。
挑戦し続けている間は、たとえ何度打ちのめされようとも負けではない。挑戦をあきらめた時が負けなのです。

2019/12/28 一部修正しました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 55
ネタバレ

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

泣いて…  ないし!

えー。これはなんとゆうかですね。

くっそー。まるっきり大人向けのストーリーやないかー!

ボクはねぇ、もっとこう青春超せつな系のキュンキュン物語をねぇ、期待していったんですよ。

あの花とかここさけとかよりも、夏待的な。
まあでもあの花ここさけと3部作ってゆってんだからアレか。。。

いやいや。そんなこたあこのさいどうでもよいのですよ。


これは来ますよ。後からじわじわ来ますよ。
おそらくおっさんには。(ひょっとしたらおばさんにもかも。)

なんでお堂にあいつがいたのかとか、そこからなんで出られないのかとか、最後なんでああなってこうなっちゃったのかとか、まあなんかそのへんのところは実はいまいち…とゆうか全然わかってないんですけども、僕ら世代にとってはもはやそこはどうでもよくなっちゃっいましたね。



挫折を知り、世の理不尽さをしり、世の中の理をしり、それでもどうにかこうにか生きてますよと。もう昔の俺じゃあないんだよな。だから子供のころに見た夢の話とかやめてくれよ。頼むから。。。


と思って流れで生きてる大人のご貴兄みなさんがた。


{netabare}『そんな俺をがっかりさせないでくれよ!』{/netabare}

ってその夢を追いかけてた若いころの自分にゆわれたらどうしますか?



泣いて…   ないし!


・・・うぇぇぇええん。
それってあおいちゃん、ボクの気持ち、代わりに言ってくれてんだよな。。


あーはやくDVDでないかな。
家で一杯やりながら見てぇよ。これは。


おそらくめちゃくちゃ泣いてしまうなぁ。。。


:::::::::::::::::::::::


つーことで2020年夏。レンタル開始ってんでツタヤで借りてきて改めて見ましたがな!もちろん一杯やりもってですな。

まあびーびー泣くってことはなかったですけども。


んー。
これほんとに来るなぁ。ココに。


あの若い方のしんのはアレですな。
過去に縛られたギブソンファイアーバードの魂ですな。

そう考えるとつじつまが合いますね。

最初映画館で見たときはわからんかったなー。。。


脚本が岡田マリーさんで監督が長井監督ですよ。
まーさすがああゆうひねくれた青春送ってますよって話書かせるとすごい説得力ある物語書くよなぁ。


改めて見て、泣くってよりも、なんだろ、共感かな。
うあー。わかるー。の連発みたいな(笑)。

でも目はうるんでるので、そこはやっぱり『泣いて、ないし!』と言わざるをえんのでした。

連休最終日に見て正解でした!
次の日からまた気合い入れて働くぜ!ってギアが入りましたとさ♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

75.7 6 初恋で恋愛なアニメランキング6位
君の膵臓をたべたい(アニメ映画)

2018年9月1日
★★★★☆ 3.8 (305)
1469人が棚に入れました
それは「僕」のクラスメイトである山内桜良 (やまうち さくら) が綴っていた、秘密の日記帳であり、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが記されていた。

「僕」はその本の中身を興味本位で覗いたことにより、身内以外で唯一桜良の病気を知る人物となる。

「山内桜良の死ぬ前にやりたいこと」に付き合うことにより、「僕」、桜良という正反対の性格の2人が、互いに自分の欠けている部分を持っているそれぞれに憧れを持ち、次第に心を通わせていきながら成長していく。そして「僕」は「人を認める人間に、人を愛する人間になること」を決意。桜良は恋人や友人を必要としない僕が初めて関わり合いを持ちたい人に選んでくれたことにより「初めて私自身として必要されている、初めて私が、たった一人の私であると思えた」と感じていく。

声優・キャラクター
高杉真宙、Lynn、藤井ゆきよ、内田雄馬、福島潤、田中敦子、三木眞一郎、和久井映見

fu+i さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

真実か挑戦

タイトルが気になって、実写は、見る気がしなかったがアニメなら、と思い観てきたんだが、よかった。

遺書のところ、少しもやっとしたが、人生哲学を知る良作だと思う 作中で桜良が言ってた通り、どこかしっくりこなかったところには、きっと、意味なんてないんだろう
あるいは、お互いの人生観の齟齬か、

「僕」に近い人生観だが、
なんか共感できないな… 入ってくる情報過多で、しばらく小説断ちしてたからかな?
いや、周囲に心配させないために空元気に振る舞い死への恐怖を皆無にしようとしてた時期があったので桜良に近い人生観かもしれない しかしまだ、それだけの処世術が身についていないのだが…
いやはや、それにしても、桜良のセリフは軽快だね!
えっと、死ぬときは、自然災害であっけなく死にたいものだね それが一番まわりを悲しませなくて、まわりも納得いくんじゃないかって(汗)

しかして、キミスイの鑑賞者は、「僕」と桜良、どっちにもなれたわけだ

友達でも恋人でもない、というのは、いわゆるソウルメイト的な何かだろう
ここのアニメ成分に「恋愛」入ってるけど、これは恋愛なのか、私には、人生の通過儀礼のようなものに感じたが…

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

青春感動をアウトレットで

原作未読 実写版未視聴


これ小説けっこう有名ですよね。
それに実写もアニメも劇場版が作られるなど肝いりじゃないですか。その割にはイマイチでした。

身体の悪い部位があったらそこと同じ場所食っときゃ直るというお祖母ちゃんの知恵袋ネタはご存知の方多いのではないでしょうか。曰く「肝臓の調子悪いからレバー食っとこ」。
それを地でいく話となるのかどうか、余命短い相方との切ないラブストーリーを想像していた事前の私です。ベタ大好きなのでばっちこーい!と受け入れ態勢完璧でしたがこれまで視聴の優先順位は上がってきませんでした。地上波でやるってのを見つけたのがきっかけとなります。


 ベタだけどベタになりきれてない


長年培われてきた感動のお作法は世の中に存在します。そこをずらしての意外性を演出するにあたり事前の種まきがなされてないので感情を揺さぶるには至りません。そこ説明してくれりゃ感情移入できるのに!ってやつです。
悪目立ちしたのがキャラクターの行動/言動の根っこにある動機。これが良くわからない。取り急ぎダメ出しするよりも先に良きメッセージについて触れます。


■良きメッセージ

・{netabare}近づいたのは対極にいるからだと桜良(CV:Lynn)は言った。桜良逝去後に春樹(CV:高杉真宙)がとった行動は意趣返し。自分とは真逆の桜良に近づくための真逆の行動をする勇気。こうして故人の遺志は受け継がれていく。{/netabare}

・{netabare}心が通じ合えた、必要とされたことを実感してから旅立てたこと。死因よりも死んだ時期がこの物語には重要だったのだと思う。{/netabare}

生きる意味や執着。繋がりで得られるもの。ベタだったり変化球だったりそんなに外してるとは思いませんでした。ただしいかんせん説明不足です。雰囲気で乗りきれればOK!そんな作風でした。



■悪しきエトセトラ

くどいようですが種まきがありません。らしきものは見つかっても「それ理由になるかなぁ?」と首をひねるものが散見されます。ヒロインが主人公に惹かれる理由。主人公の突き放したヒロインへの態度の理由。恭子(CV:藤井ゆきよ)が頑なに春樹を拒む理由などけっこうコアなとこがダメ。
特に桜良と春樹。この主軸が惹かれあう妥当性を見い出せなかったのは致命的かも。「なんで二人一緒にいるの?」。しっくりくるこないで作品評価の別れるポイントになると思います。

{netabare}※春樹がモテ要素皆無なキャラに見えたので、なおさら桜良が彼に近づく理由に強いものが欲しかったのもあります。逆もしかりで、非モテコミュ障がかわいい子に言い寄られて舞い上がりましたとしか見えないのが極めて残念でした。{/netabare}

それと声優にも一言もの申したい。根本的に内罰的な主人公は抑揚のない中で感情を表わす難しい演技を求められます。この難役を演じるには声のお芝居経験に乏しい俳優では荷が重かったでしょう。俳優と声優の組み合わせでしたらむしろ男女を逆にしたほうが実力差が隠れてよかったと思われます。




画は綺麗で劇伴/主題歌は普通。
難病ヒロインと内向男子の別離の話ってそれこそ野球で打線を組めるくらい巷に溢れてるベタな題材で、こちらもいつもどうりに踊りたかったのですがそれができなくて残念です。
なお、著名原作がそれなりに骨子まとまってそうなので大崩れしてるようには感じません。推奨はしない佳作。そんなところです。



※余談

■お里が知れる

膵臓である意味/必要性はそれほどなかったと思います。音感とイメージの薄さで白羽の矢があたった臓器。それ以上でも以下でもない。
どういうことかというと、まずは“(仮題)君の○○をたべたい”というフレーズを思い浮かべてみてください。この○○に入るのが肝臓や心臓だと生々しいというかスプラッター要素マシマシですよね。大腸に至ってはウ○コをイメージしてしまうかも。なんの機能かわからなければわからない方がいい。
それで膵臓(スイゾウ)。脾臓(ヒゾウ)なんかも候補に挙がりますがそれだと音のリズムが悪くなっちゃう。というわけで膵臓。
これでも充分センセーショナルです。カニバリズムかなんかだと勘違いするしそれを狙っているのです。出自を見れば無理はありません。

{netabare}小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿{/netabare}

タイトルで目を引かないと埋もれますからね。「タイトルはアレだけど感動作だよん」話題になってた時耳にしたのはこんな声でした。
そして私あまり好きじゃないんですよねこの商法。作品の中身と乖離するから。WEBニュースの見出し勝負みたいになっちゃいます。今しがた漱石が『こころ』なんてタイトルにしてなろうに投稿したら埋没しちゃうのでしょう。弊害はしっかり出てました。

{netabare}膵臓の病気持ちでアルコール摂取はねーだろ{/netabare}

チュートリアル福田が発症した病気は「急性膵炎」。原因は酒です。入院したらしたで膵液が分泌されるとまずいので食事を経口摂取せず点滴のみ。後がないからってのも理解できなくもないですけど、実際に病名は明かされてなかったけど激痛必至だったんと違いますかね。

少なくともアニメ映画だけでみれば、タイトルのインパクト重視で中身を練られてないように見えました。本末転倒とはこのことです。




■声優Lynnのお仕事

これこそ余談です。私の深夜アニメの入口は『風夏』。ヒロインはLynnさんが演じられてました。今日びの声優さんは綺麗だな~と時の流れを感じた次第です。
そんで風夏のネタバレ込みでふわっと思ったのが以下、

{netabare}自分死んだ時の通夜に彼氏が来てくれないの一緒じゃん、と。{/netabare}

{netabare}アニメ『風夏』はアニオリで別の世界線。原作漫画との対比でした。では♪{/netabare}



視聴時期:2020年5月 地上波

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2020.05.09 初稿
2020.12.10 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 51

kakelu さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

あと少しで神作品だった、おしい作品!

原作、実写ともに既読の私が今作と比較した感想。
初見ではないので、最初から結末は既知の状態です。

■物語
実写板では少しアレンジが加えられており、そこに少し善し悪しが分かれた。
対して、今作は前作に忠実で特にいじったところは見受けられなかった。
実写版でもそうだったが、原作を既読者には物足りないと感じてしまう。
映画という形状仕方がないのだが、情報量がが少なく原作未読者は果たしてこの描写で伝わっているのか?と思うシーンがいくつかあった。
特に、出だしの何分間は読者をかえって混乱させるのではないか?と感じた。
しかし、全体的には概ね良かったと思う。
結末ではラストを知っていたのにも関わらず涙してしまった。
1つ疑問に思ったことは、「君の名は」を少し意識しすぎではということだ。
OPがあったこともそうだが、演出がとても似ていた。
そのせいか、この作品のオリジナル性が欠けたように感じた。

■作画、声優、キャラ
作画はとくに問題なし。
少し輪郭がぼやけたような作画だったが観る分には全く支障はないし、抵抗感も受ける人は少ないんじゃないだろうか。
実写版とは違い、アニメでしかできない描写があったが個人的にはいいと思った。
声優も特に棒読みなどなくキャラにあっていた。
ラストの迫力満点の演技だった。
キャラもよく、ヒロインの桜良はとても可愛かった。
主人公の「僕」も成長過程が見て取れた。

■音楽
先程もあげたが今作が「君の名は」に似ていると感じた音楽。
音楽はsumikaが担当しており、私が好きなアーティストということもあり凄くよかった。
特に、挿入歌の「秘密」が流れたシーンは鳥肌がたった。

■総評
普通に良作だと思う。
だが、原作既読者には物足りないかも。
でも、私みたいに涙もろいかキミスイが好きな人にはおすすめ。
まだ、原作、実写どちらも未読なら普通に楽しめると思う。
sumikaが好き人もいいかな。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

72.0 7 初恋で恋愛なアニメランキング7位
千年女優(アニメ映画)

2002年9月14日
★★★★☆ 3.9 (447)
2165人が棚に入れました
芸能界を引退して久しい伝説の大女優・藤原千代子は、自分の所属していた映画会社「銀映」の古い撮影所が老朽化によって取り壊されることについてのインタビューの依頼を承諾し、それまで一切受けなかった取材に30年ぶりに応じた。千代子のファンだった立花源也は、カメラマンの井田恭二と共にインタビュアーとして千代子の家を訪れるが、立花はインタビューの前に千代子に小さな箱を渡す。その中に入っていたのは、古めかしい鍵だった。そして鍵を手に取った千代子は、鍵を見つめながら小声で呟いた。「一番大切なものを開ける鍵…」
少しずつ自分の過去を語りだす千代子。しかし千代子の話が進むにつれて、彼女の半生の記憶と映画の世界が段々と混じりあっていく…。

声優・キャラクター
荘司美代子、小山茉美、折笠富美子、飯塚昭三、津田匠子、鈴置洋孝、京田尚子、徳丸完、片岡富枝、石森達幸、佐藤政道、小野坂昌也、小形満、麻生智久、遊佐浩二、肥後誠、坂口候一、志村知幸、木村亜希子、サエキトモ、野島裕史、浅野るり、大中寛子、園部好德、大黒優美子、山寺宏一、津嘉山正種

shisune さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

だって私…

主人公の藤原千代子の半生をインタビューを通して思い返していく、というお話。
場面の移り変わりがおもしろいんですが、若干混乱しました(最初だけ)。
千代子の一途な恋心がなんとも言えません。

物語のラスト、おもいっきり、監督に突き飛ばされましたね~。
五キロくらい吹っ飛ばされた気がしました。
まさに衝撃のラストです。
最後のシーン、思わず声に出してしまいました(笑。
ものすごい裏切りです。

なんといっても今敏監督。万人におすすめできる良質のアニメーションです。
ほんとに、もっともっと監督のアニメを見たかったです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

千年を納得させる女優の回廊

今敏監督作。

本作は大女優千代子に、取材を行い談笑しながら物語が進まれる。名女優ゆえ、めったに取材に応じないが、何かを開ける鍵を渡すため訪れた取材陣。ただ話はソファーに座りながら、その一女優の出演作を時代と合わせ、女優の年齢の順に流されていく。

本作の面白い所は、何の前触れもなくその映画の世界に入り込ませ、そんな中、取材者2人も同じ世界に入り込み取材を行うという疑似パラレルな展開。それを現代の取材時間(ソファーでの取材)と、疑似パラレルの取材時間(映画の中)を唐突に移り変えて、時間の感覚をずらしてきやがる所。

最初の出演作で女優になる決意をした彼女と同じように、見てる側にも映画(本作)を見る価値ある、風な演出ほどこし、彼女は恋人を探して疑似パラレルの幾つもの世界を渡り歩くことになる。

出てくる疑似パラレルは、関東大震災、満州、戦時中の投獄等々。時代劇からSF風までの彷徨う時の回廊。ここが社会派アニメ的にも魅せられ、深みみたいなものを感じるし、勘ぐって社会派としても見ちゃった回廊。

疑似パラレルの変化を通して様々な役をこなしながら幾つもの物語を魅せてくるし、取材野郎も役者としても噛んでいたりして、一癖あるドキュメンタリーなのか、ロマンティックな恋なのか、社会派アニメなのか、鍵という伏線によるサスペンスなのか、と、いうフェイクらしいものを入れてくる。

「現在の取材による時間」「様々な疑似パラレルによる時間」
「疑似パラレルの中で経過する役と年齢」「演出のフェイクによる感情変化」
そんな側面を持ちながら、一つ芯を通した鍵と恋。だがその芯にも癖演出。

千年を感じさせる為に用意された幾つもの疑似パラレルやメッセージ的フェイクは、重みと不思議な軽さを伴った、心が安堵したような悲しい心地よさに包まれた。私ごときが、ことの顛末まで書くのは野暮ですなこりゃw視聴して頂きたい一作。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 37

もちすい さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

淡くて激しくてしたたかな

とある大女優が自分の人生を“恋心”という部分に焦点を当てて振り返る、という物語。

終始インタビュアー&カメラマンの二人組みとの会話~回想シーンという映像が続くのですが、女優ということで、回想を映画の演技シーンになぞらえて、さらには回想にも二人組が入り込んでくる、という、実験的で、かなり奇抜な映像表現がこの作品の特徴です。

これ、本当に面白い表現だと思うし、この題材とこの表現を組み合わせることを前提にした脚本は完璧すぎるぐらいうまいんですけど、回想と演技のシーンを重ねるということは、どうしても視聴者にとっては感情移入の妨げになると思われます。
回想に入り込んでくる二人組も、説明役、場面転換のアクセント、と効果的な働きもしているのですが、やっぱりこれも感情移入したい人にとってはノイズになってしまいます。

ということで、映像表現としてはとても面白いのですが、同時にあまりの奇抜さに面食らってしまって、全く作品に入り込めない、ということになる可能性もあります。
私の場合は初見がそうで、2回目に観たときにやっと落ち着いて観れました。

あとは感情移入を求める人も注意が必要です。
感情移入できないこともないですが、かなり女性向け、しかも対象年齢高め、と、ものすごく観る人を選ぶ作品です。

とはいえ、今敏さんの作品は、アニメーションという媒体に対してのアプローチがあまりにも個性的で、多くのアニメ作品とは全く違ったベクトルを持っているので、合う合わないは別として、「こういうアニメもあるんだ」と、観ておいて損はないと思いますよー。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

75.7 8 初恋で恋愛なアニメランキング8位
ペンギン・ハイウェイ(アニメ映画)

2018年8月17日
★★★★☆ 3.8 (267)
1230人が棚に入れました
小学四年生の少年アオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、大人になったときにどれほど偉くなっているか、見当もつかない。そんなアオヤマ君は、通っている歯科医院の“お姉さん”と仲がよく、“お姉さん”はオトナびた賢いアオヤマ君を、ちょっと生意気なところも含めかわいがっていた。ある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか…。アオヤマ君はペンギンの謎を解くべく研究をはじめるのだった。そしてアオヤマ君は、“お姉さん”が投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」“お姉さん”とペンギンの関係とは? そしてこの謎は解けるのか?少し不思議で、一生忘れない、あの夏の物語。

声優・キャラクター
北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、西島秀俊、竹中直人

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

史上最高のおねショタSF映画!もりみー原作が苦手な人にこそ観てもらいたい!

『四畳半神話体系』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』のもりみー(森見登美彦)の新境地を『陽なたのアオシグレ』『台風のノルダ』の石田祐康と新井陽二郎のタッグが描いたジュブナイルSF


とある郊外の町が舞台
10歳にして勉強や研究に熱心な好奇心旺盛で達観した思考を持つ少年、アオヤマ
ある日、海も無い町中に唐突に大量のペンギンが出現したのを目撃する
アオヤマ少年と友人はすぐさまにペンギンの出自を探す探検に出るが謎は深まるばかり
その後アオヤマ少年はその達観視した口調が災いし、クラスメートのガキ大将と衝突してしまう
そのピンチを彼が淡い恋心を抱く近所の歯科衛生士の“お姉さん”に救ってもらう
アオヤマ少年がペンギンの謎を追っていることを知ると“お姉さん”はジュースの缶を宙に放り投げた
すると彼女が投げたジュース缶が突然ペンギンにメタモルフォーゼした
「この謎を解いてごらん、君には出来るか?」
かくしてアオヤマ少年は“お姉さん”とペンギンの関連を探り出そうとするのが…


まず一連のもりみー原作の多聞に漏れず、達観視した上から目線な主人公による一人称が主軸となっているのですが、早合点するなかれ
もりみー原作でありながらも畳み掛けるような喋り口調でまくし立てる作品ではないのです
主人公が落ち着いた少年であるという点や、アオヤマ少年を演じた北香那の感情を殺した芝居、そして全体的に間を大切にしたテンポ感を含めて、どちらかというととてもゆったりとした時間が流れる作品になっています
かつ暑苦しい青春モノでなく、もっと爽やかなジュブナイル作品というのも手伝っていますから「もりみー原作はちょっと…」という方にこそチェックしていただきたいところです


この辺りの演出、石田祐康率いるスタジオコロリドの若いスタッフが中心となったことも大きいと思います
少年の、自覚なき恋心を大切に描いていますし、その一方で少年が“お姉さん”に興味を抱くキッカケが“お姉さん”の豊満な「おっぱい」というのがエッチでコミカルでとっつき易いです
また、過去作の様にスタジオコロリド内製が強いのかと思いきや、流石に初の長篇ということもあって亀井幹太監督が演出処理を買って出る、佐藤順一監督がクリエイティブアドバイザーとして参加する、等これまでのコロリド作品とは規模の違いを感じます
一言で言うなれば、これまでのもりみー原作アニメが若者向けな文学作品だったのに対し、今作は老若男女広く、もっと言えばファミリー路線にも喰い込める、本当の意味でのエンターティメントに振った作品に仕上がっていると言えましょう
今日までコロリドを見捨てなかったフジテレビにはよくやった!と言いたい


ところでもりみー原作といえば【いまいち何を考えているのかわからないヒロイン】の存在でありますが、今作の“お姉さん”もまたもりみーヒロインであることに変わりありません
彼女のイヤラシさの無い奥ゆかしさを、蒼井優が見事に演じきっていてコレにも拍手です
キャスティングは完璧で、いわゆる大人の事情なども感じさせません
それは主題歌に起用された宇多田ヒカルの「Good Night」も同じで、まさにこの映画の為にある一曲と言える楽曲です
エンドロールで程よい余韻に浸れることを保証いたします


また、途中で『台風』が来たり、『坂のある町を駆ける』のは思わずコロリド作品ファンには笑みがこぼれてしまうところでしょうw
コロリドにとっては今作が初の長篇にして、1つの記念碑となった、のではないしょうか?
まあ細かいことは置いとくとしても、とかく【おねショタ】っていうジャンルは本当に尊いと思ったのがオイラの本音ですよw

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

私たちはどこから来て、どこへ行くのか

スタジオコロリド制作。

石田祐康監督、待望の初長編作品。
ひと夏の不思議な体験を鮮やかに描く、
心弾む思春期ファンタジーの良品であろう。

主人公アオヤマ君は研究熱心で、
世界の不思議に興味津々、
日々学んでは、知の探究に励む。
少年特有の好奇心と冒険心も旺盛で、
気になるお姉さんのおっぱいにも、
多大な関心を持つどこにでもいる少年だ。
{netabare}突然、広場の空き地に現れたペンギンたち。
忘れる事の出来ない、ひと夏が始まる。{/netabare}

少年の視点で描かれる数多くの演出、
世界や異性に対する戸惑いと妄想こそ、
どこにでもある思春期の原風景なのだ。
ペンギンハイウェイとは何であろうか!?
{netabare}それは人が歩む、進化への道であり、
思春期から大人になるための道標だ。{/netabare}

ここでは2つの世界が衝突している。
{netabare}折りたたまれ亀裂が生じた世界の果てと、
成長の儀礼として、少年が歩む内的世界だ。{/netabare}
どこか村上春樹「海辺のカフカ」を想像する。

移ろいゆく記憶を、夏という季節に見出す。
それは美しい等式、解けない夏の方程式、
どれだけの冒険をして大人になるのだろう。

私たちは幾つになっても、道の途中なのだ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 63
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

表はペンギン、裏はエヴァンゲリオン

世界観:9
ストーリー:8
リアリティ:6
キャラクター:7
情感:6
合計:36

小学四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録している男の子。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、「きっと将来は偉い人間になるだろう」と自分でも思っている。そんなアオヤマ君にとって、何より興味深いのは、通っている歯科医院の“お姉さん”。気さくで胸が大きくて、自由奔放でどこかミステリアス。アオヤマ君は、日々、お姉さんをめぐる研究も真面目に続けていた。
夏休みを翌月に控えたある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。街の人たちが騒然とする中、海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちはいったいどこから来てどこへ行ったのか……。ペンギンへの謎を解くべく【ペンギン・ハイウェイ】の研究をはじめたアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」

(公式ページより抜粋)

視聴経緯については、先日見た「若おかみは小学生」同様、2018年に公開されたアニメ映画で、さよ朝やリズ青と共に名前があげられることが多かったから。

若おかみ~があまり響かなかったので、4作品中トップにあげられることの少ない本作は正直あまり期待していなかったのですが、意外にも高得点でした。

冒頭のあらすじを読むとこじんまりとした作品のようですが、スケールが大きく、SF、セカイ系と言ってよいでしょう。それでいて、個人の思春期の問題がテーマにされており、私はエヴァンゲリオンを連想しながら見てしまいました。

{netabare}本作はいくつかのもの(お姉さん、海と呼ぶ球体、ペンギン等)が象徴的に描かれていて、それを何と捉えるかで様々な受け取り方になると思いますが、全体のテーマは私にとっては「異性への憧憬」や「アニマの昇華・離別」(それによって少年は成長するのだ!)であると捉えました。(ペンギン・ハイウェイが象徴する道も、少年が通る成長の道ではないか)

個人的に、自作長編小説におけるテーマのひとつであり、お姉さん的なキャラを登場させたことがあるので、最早そういうテーマでしか見られなかったのですが(苦笑)
注.私の言う「アニマ」とは、ユングのものとはズレていると思いますが、精神的な異性に対する憧憬の原点(簡単に言えば理想の女性)みたいなもので、例えば、初恋の相手が2次元(アニメキャラ)みたいな形で接触する人も多いのではないかと思われます。

ですので、万人受けはしないと思いますし、特に女性は共感できるのか不明。女性にも異性への憧憬はあるでしょうが、本作のモチーフがそれに符合するのか全くわかりません。

そのようなごく個人的な体験により、お姉さんが偶像でないかという疑問は、最初の喫茶店のシーンから出てきて、コーラがペンギンに変わったところで確信に変わりましたね。

普遍的なテーマに寄って考えると、幼少期は想像(内的)世界と現実(外的)世界が共存しているけれど、どこかで想像世界に踏ん切りをつけて現実世界のみを見るようになるということでしょうか。

小説を書くことでお姉さん的存在と問答し、離別した私としては、アオヤマ君がお姉さんに再会できるのは内的世界に向き合うかもしれない老後、究極的には死んだ時だと思ってしまいますが、そうやって大人になった自分にとって、彼には昔の自分を重ねてしまい、背中を押してあげたくなりました。{/netabare}

青春の原風景を見に行けた感じでしょうか。主人公の性格や豊かなお姉さんの憧れが真っ直ぐで、爽やかな満足感を得られました。

客観的にも、テーマが深くて濃いものである割に、テーマに対応するぎりぎりの低学年を主人公にし、愛くるしいペンギンを登場させることで巧みにカモフラージュされているので不快感はあまりなく、終盤はジェットコースターのようなアニメーションも堪能でき、楽しめる作品と思います。

(2020.6視聴)
(参考評価推移:4.3)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 27

65.3 9 初恋で恋愛なアニメランキング9位
劇場版 世界一初恋 ~横澤隆史の場合~(アニメ映画)

2014年3月15日
★★★★☆ 3.9 (58)
492人が棚に入れました
原作:中村春菊、小説:藤崎都(角川ルビー文庫刊)、監督:今千秋、脚本:今千秋、キャラクターデザイン:菊地洋子/安田京弘、堀内賢雄、蒼月昇、堀江由衣、近藤隆、小西克幸、立花慎之介、中村悠一、岡本信彦、前野智昭、、、

声優・キャラクター
堀内賢雄、蒼月昇、堀江由衣、近藤隆、小西克幸、立花慎之介、中村悠一、岡本信彦、前野智昭

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

謎の新人声優、「蒼月昇」初のBLへ挑戦!?w

出版業界者が思わず“退く”、という出版業界を舞台にした中村春菊原作のBL作品『世界一初恋』シリーズ初の劇場版


シリーズの特徴は一つの出版社を舞台に多方面の視点で描かれる各々の恋物語がマンガ、小説など別々のメディアで展開するところです
群像劇をメディアミックス展開するシリーズってのは昨今珍しくはありませんが、ここまで同時多重に展開するのはBL作品としては唯一無二でしょう


アニメシリーズはバラバラに散った原作の視点を再びひとまとめに再構成、改めて群像劇として展開しています
が、今回の劇場版に関してはこれまで描かれなかったキャラクター、「横溝隆史」のエピソードに注力しています


























学生時代からの友人、高野政宗に片思いをしていた営業部の暴れ熊こと横溝隆史
しかし政宗に振られてしまい、自暴自棄になっているところを少年誌の編集長、桐嶋禅につかまってしまう
酒に酔いつぶれ一夜を共にした横溝は桐嶋に撮られたという“恥ずかしい写真”をネタに桐嶋に迫られる
さらに失恋を引きずったままの横溝は仕事でも大きなミスを犯し、桐嶋に借りを作ってしまったことで一人気まずくなる
しかしシングルファザーの桐嶋にとっての一人娘、日和に気に入られた横溝
自然と彼の家庭に馴染んでいくうち、失恋の傷も癒えていくかに思えた・・・かのように見えたが???


























大人の恋愛をテーマにしたBL作品です
今作に限ってはタイトルにあるような初恋でもなんでもなく“大人の恋愛”であることに集中しており、故に恋愛映画としては上手くまとまっていてシリーズファンならずとも楽しめる様に良く出来ています
主要スタッフはテレビシリーズからほとんど変更はありませんが監督の今千秋が初めて脚本も手掛けているのが気になるところ


キャストは堀内賢雄と蒼月昇の超ベテランコンビの絡みときたもんだから凄い
おおっとw蒼月昇さんは“謎の新人声優”ってことになってたっけか?www


さらに物語の鍵を握る小学生、桐嶋日和ちゃんには堀江由衣
可愛いwこの娘は反則過ぎるw可愛過ぎるw


エンドロールの後にはエピローグを含んだ書き下ろしシナリオの短編『バレンタイン編』が始まります
こちらはテレビシリーズと同じく群像劇風に4組のカップルが織り成す各々のバレンタイン模様が描かれ、原作ファンへ向けたサービスといったところに落ち着いています

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「俺を押し倒そうなんて100年早い」

世界一初恋〜小野寺律の場合〜のスピンオフ
律と高野が一緒に出張へ出かけた辺りの時系列です

オトナの「初恋」は、こじらせると――キケン。
ずっと好きだった親友・高野政宗に振られ
やけ酒を呷った出版社・丸川書店営業部の横澤隆史
我に返ると知らないホテルのベッドの上
しかもシャワールームから出てきた男は、
丸川書店の看板少年誌「ジャプン」のカリスマ編集長・桐嶋禅だった


~感想~
原作未読

メイン本編では特に横澤に対しては恋敵!と思うほどで
ちょっと可哀そうな立ち回りに役だったので
今作で吹っ切れるので良かったです
嫌な奴!って思う人も多いけどそこまで嫌いではなかったです


売れていても売れなくてももっと売れと言われる営業職だけど
大柄で人相が悪いとうあくの強さは
「暴れ熊」なんて言われている横澤にあっていると思う
人当たりが良いとは言えないけども。笑


桐嶋はところどころセリフでドSっぷりを発揮させてくれて
子持ちの敏腕編集長だけあって余裕を感じさせる大人のドSかな
横澤にはお似合いな人だと思います

不器用さも手伝って「営業の暴れ熊」とみんなに恐れられる横澤も
桐嶋の手にかかれば子どもみたいにあしらわれて
調子が狂うのも仕方がないのかな?桐嶋の方が1枚も2枚も上手です


逃げずに高野さんへの想いを清算し
友達として精一杯の誠意を見せる場面での
「きっとこいつ以上に気のおけない相手には二度と会えない…」
ってセリフには切なさを感じましたが
またその後に桐嶋に会ってしまうのが
グッドタイミングなのかバッドタイミングなのか…
あまりにもタイムリーに耳の痛い話をされ
ついカッとなって叫んでしまう横澤だけど
桐嶋についてちゃんと考えるきっかけになってよかったと思う


「俺ならお前をまるごと受け止めてやるよ
あいつを好きな気持ちは忘れなくていい
ちゃんと大事にとっておけ。お前は何も変わる必要ないから。」
桐嶋の最後のセリフなんて
経験豊富な器の広い大人の男でないとなかなか言えないセリフです!

心から応援できるカップルでした

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

aroe さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

個人的には満足♪

世界一初恋は、アニメを全部見てて。
原作は未読。
ちなみに腐女子ではないんで、積極的にBLが好きってわけではないのですが。

純情ロマンチカと世界一初恋をテレビで見て、思いの外楽しく見れてしまったので。
ならば!と思い、映画も見に行っちゃいましたw

世界一初恋と純情ロマンチカは、どちらも、一応メインの主人公カップルってのはいるんですが、それ以外の脇役たちもみんな男同士で恋愛してまして(笑)
複数のカップルが出てくる物語なんです。

で、どのカップルが好みかってのが一番重要。

好きなカップルの話だと、やっぱりテンション上がる。
いや、ツボでなくても、まあ見てて普通には楽しめるんですけどね。
ツボだとでかい!

で、今回の映画は、TV版では出てこなかった、新しいカップルの物語。

原作既読の方はちゃんと分かって行くのでしょうが、私は知らないので、多少バクチな気持ちで見に行ったのですが…

良かったです!

好みでした(笑)

私、基本的に、報われなかった子が報われるってエピソードが好きなのですけど。
今回は、まさにそれ。
TV版で主人公にふられちゃったキャラが、新しい恋を見つける話で。

うんうん、良かったね、と。
微笑ましく見れちゃいましたよ。


で、この作品に興味ある方なら誰もが懸念されているであろう…声の件ですが。

ワタシ的には、大丈夫!アリでしたー(笑)

まあ、堀内さんの方はTV版でも聞いてたから慣れてたし。
蒼月さんがね。
もっと高い声かと思ったら、以外にそうでもなくて、演技もナチュラルで…(って、すごい大御所の方に失礼ですね…)

いや、友達の中には、イメージ違ったー!(原作既読者)って言ってる子もいるので。
ダメな方もいるかと思うのですが。
個人的には、むしろちょっと好きだったかも…。

正直古谷さんて、元々はそんなに好みの声質ってわけでもないんですよ。
アムロにしろ、星夜にしろ、タキシード仮面様にしろ。

な・ぜ・か。

ガンダムOOの、リボンズの声がすごい好きで。
で、今回のセカコイのキャラも好きで…

え、あれ?もしかして私、蒼月さんが好きなのかーーー(゚A゚;)!?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

70.9 10 初恋で恋愛なアニメランキング10位
名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)(アニメ映画)

2003年4月19日
★★★★☆ 3.8 (346)
2372人が棚に入れました
東京・大阪・京都で、5人の男が刀や弓矢で殺される事件が発生した。犯人は翁の能面をかぶっていた。警視庁・大阪府警・京都府警の合同捜査本部による捜査の結果、殺された5人が古美術品を狙う窃盗団「源氏蛍」のメンバーであることが明らかになった。
同じ頃、小五郎は山能寺の僧侶から依頼を受け、ちょっと風邪気味のコナンたちを連れて京都に来ていた。山能寺では8年前、12年に一度公開する秘仏が何者かに盗まれていた。そして最近、その仏像のありかを示すという謎の絵が、差出人不明で山能寺に届いたので、小五郎に解読を依頼したのだった。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

舞台は京都、平次と和葉が活躍します

本作は劇場版名探偵コナンの監督を第一作から監督を務めてきたこだま兼嗣の最後の作品であり、以降は山本泰一郎に引き継がれた。また、「副監督」として西森章も監督を担当しておりシリーズで初めて監督が2人置かれた作品になっている。また本作はコナンが初めて工藤新一の姿に戻った作品である。

また本作は舞台が京都である事もあり、平次と和葉が作品の主要キャラとなっている。OPの解説でも、コナンから平次へのバトンタッチが見られる。
新一×蘭以上に平次×和葉の恋愛要素が強かったのではないか。

以降の「ネタバレ」はWikiから引っ張ってきたあらすじです。
読みたい人は読んでください。核心には触れていません。
{netabare}
東京・大阪・京都で、5人の男が刀や弓矢で殺される事件が発生した。犯人は翁の能面をかぶっており、義経記を持ち去っていることが判明していた。警視庁・大阪府警・京都府警の合同捜査本部による捜査の結果、殺された5人が古美術品を狙う窃盗団「源氏蛍」のメンバーであることが明らかになった。

同じ頃、小五郎は山能寺の僧侶から依頼を受け、コナンたちを連れて京都に来ていた。山能寺では8年前、12年に一度公開する秘仏が何者かに盗まれていた。そして最近、その仏像のありかを示すという謎の絵が、差出人不明で山能寺に届いたので、小五郎に解読を依頼したのだった。

コナンは秘仏を盗んだのは源氏蛍だと推理し、謎の絵の解読のヒントを求めて弁慶に関係のある場所を巡っていた。その先で平次と遭遇し、平次も源氏蛍の事件を追っていることが分かり、お互いに情報交換を行い捜査を再開する。平次の案内で鞍馬山を訪れるコナン。しかしそこで、平次がライダースーツの男に弓矢で狙撃される。コナンの機転でそれをかわし、二人はバイクで男を追跡するが、後一歩というところで取り逃がしてしまった。

その夜、コナン一行は御茶屋に招かれた。しかしそこで、桜正造が何者かに殺害されてしまう。さらに、コナンと平次が桜の古美術店を調べた結果、彼が源氏蛍のメンバーであることが分かった。

捜査を切り上げ、和葉を乗せて帰宅する途中、平次は再びライダースーツの男の襲撃に遭う。男は翁の能面をかぶり、木刀による対決を申し込んでくる。その申し入れを受ける平次だったが、男の見たことのない剣法に大苦戦。あわや殺害されそうになるが、和葉の機転によって救われる。

その後も捜査を続け、少しずつ真相に迫っていくコナンと平次。しかし、その最中に和葉が犯人に誘拐されてしまった。平次に鞍馬山まで一人で来るように脅迫する犯人。しかし平次は、前夜に犯人から受けた傷が悪化して倒れてしまう。果たしてコナンと平次は、事件を解決して凶悪な犯人から和葉を救いだせるのか!?
{/netabare}

本作のキャッチコピーだった新一と蘭の再会は、思っていたものとは違い手早く済まされてしまった。
その代わり、平次と和葉の名場面は数多く用意されており、本作の主人公は平次と言っても過言ではないくらいである。(舞台が京都だからと言うのも大きいが)
よって本作はコナンと平次のタッグが一番の見所と言える。バイクで犯人を追いかける場面はCGが凄くて驚いた。推理に関しても、色々とミスリード等も折り交ぜつつ、筋の通った説明で良かった。
そして私が最も評価しているのはEDの倉木麻衣のTime after time〜花舞う街で〜である。毎回EDは実写なのだが、今回はその実写とのマッチが素晴らしく、また名曲である。

コナンの映画ではあるが、思ったほどコナンは活躍できなかった(むしろ平次のサポート)。しかし、名探偵二人の活躍や平次の名場面は是非見ていただきたい。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

服部ファンには嬉しい作品

服部探偵にスポットが当てられており、完全に主役の座をコナンから奪ってストーリーが展開。
今回は京都が舞台であり、京都の雰囲気がとても良く描かれていて良かったです。
しかしアクションがあまりよろしくない。
劇中のアクションシーンではCGが使われている場面があり迫力は感じられるものの、CGとアニメーションがうまく融合されてなく違和感を感じてしまいます。
また他のアクションシーンでもイマイチ盛り上がりに欠けた内容でした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

暗号と十字路に隠された謎。服部平次の初恋の真相は…

2003年に公開されてた劇場版名探偵コナン第7作目。

観終わってから15年も前の作品と知り、
とても驚きました。

確かに登場する携帯が古いなあとは思いましたが。笑

でも内容は十分面白かった♪
ぎこちないCGも、15年前の作品というのなら納得。

100分ほどの作品です。


● ストーリー
東京、大阪、京都で起きた殺人事件。
そこには窃盗団“源氏蛍(げんじぼたる)”が絡んでいると警察は睨んでいた。

一方、小五郎は京都の山能寺から
盗まれてしまった仏像探しの依頼を受ける。

コナン、蘭、園子も京都へ同行し、
寺に届いたという仏像のありかを示す暗号を解読しようと試みる。

西の高校生探偵・服部平次もまた、
独自で殺人事件の調査を行い、調査中のコナンと遭遇する。


今回の舞台は京都。

西で事件が起これば、
平次と和葉も絡んでくる。

大阪から京都に通うって、
意外と距離あるんだけどな…。

まあ、そこを突っ込んでも仕方がないのでスルーしますw

平次&和葉が絡むお話、好きです^^
見ていて微笑ましいもの(*´ω`*)痴話げんかイイネ


暗号や殺人事件のトリックなど、
内容はしっかりしていました。

コナンや平次のアクションシーンも
盛りだくさんでした。

二人とも人間離れしていますw
そんな二人と対等にやり合う犯人もすごいわw

平次のバイク爆走はスピード感もあって、
アトラクション体験しているような楽しさがありました♪

劇場の大きなスクリーンで見たら、
もっと迫力があったでしょう♪


≪ 京都の路地 ≫

京都には何度も遊びに行っていて、
有名な観光地近辺なら土地勘もまあまああるのですが、

路地は確かにややこしい!
名前言われても全然わかりません。笑

その路地名を事件に取り入れるというのは、
おもしろいネタだと思いました^^

路地名の勉強にもなったし。
覚え方の歌なんてあるんですね~。

逆に言えば、京都の人でさえ、
歌にでもしないと覚えられないということなのかしら?

恐るべし、京都…。笑

義経や弁慶もテーマに隠れているので、
彼らにまつわる実在の史跡が登場するのは京都観光気分でした♪


≪ 現代化するトリック ≫

携帯電話が普及している時代背景からも、
情報ネットワークが急激に栄えている時代であったことがうかがえます。

トリックにもそれを活かしたものがありましたし。

これからの推理ものは物理や化学要素だけでなく、
こういった機器をいかにうまく使うかで、トリックの幅が広がりそう。

それを見抜く探偵側も、
情報や知識を持っていないとトリックを見破れないので、
なんだか大変な世の中になってきたなあと感じました。笑


● キャラクター
平次の初恋話が登場!
そのお相手は…。

嫉妬する和葉。
いやでも平次のインタビュー記事を持ち歩いているってよっぽどww

そんな余裕のなさも、
可愛い一面なんだけどね^^

平次もかっこいいしね♪
剣道部で鍛えた剣さばき、かっこよかった♪

カップル的には東のカップル(新一&蘭)よりも、
西のカップルの進展の方が気になります♪


● 音楽
【 主題歌「Time after time~花舞う街で~」/ 倉木麻衣 】

私はTV放送の録画で観たのですが、
そこではカットされていました。

平次の初恋エピソードの映像と
よくマッチしています♪


● まとめ
コナン映画には面白いものとそうでないものがありますが(笑)、
これは面白いものでした♪

ストーリーもキャラもしっかりしています^^
犯人の動機は理解できませんでしたが。笑

コナン映画どれを見ようかなーと悩む人には、
これいいよと、おすすめの中の一つになりそうです♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18
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